発作の脅威（翔）10 ページ6
和side
あれから１週間。
翔兄は転院をした。
人工心臓の切り離しはここの病院でも出来るらしくて...
挿管も外れ、鼻からの酸素吸入になった。
翔兄は長い間挿管していたからガラガラ声。
それは暫くしたら治るから大丈夫なんだけど...
一つ心配事が。
翔「...んで...ね、先生...」
松岡「翔落ち着け、リハビリすれば完全までいかないが自立歩行まていけたケースも過去にはあるから、な？...」
ベッド横にいる松岡先生に詰め寄る翔兄。
両足の後遺症だった。
松岡先生は翔兄をギャッチアップしていたベッドにそっと体制をもどす。
松岡「...心停止している時間が長かった...それで翔の脳も一時的に機能が停止していたんだ。」
翔兄はポロポロと涙を流しながら松岡先生の話を聞いている。
松岡「誰が悪いんじゃないんだ。翔も藍沢先生も。こればかりは誰にも...」
記憶力低下といった生活する中で大切な物が消える事は無かった。
けど...
その代わり翔兄が背負った運命。
良く考えてくれ...それを言い残し松岡先生は１回病室から出ていった。
松岡先生も辛いはずなんだ。
後輩の足がもう動かないかもしれないこと。
俺が翔兄に慰めなんか出来ない。
ただでさえ発作を起こしたショックもあるのに後遺症まで...
兄にどう話しかけていいのか...
何が後遺症で違うのか日が経過していく事に判明してくることがあるから、まだ後遺症はあるかもしれない。
翔「...って」
「翔兄...？」
翔「出てって...もう、来なくていいから...」
なんでそんな事言うの。
でも言えなかった。
翔兄は布団に潜り込んで反対側を向いてしまった。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
