発作の脅威（翔）15 ページ11
智side
「頑張ってるじゃん...」
リハビリ室にいる翔を遠くから見つめる。
ある日を境に何かが変わったように頑張りだした。
そのおかげで鎖骨から入れていたカテーテルも取れて、あとは心臓の器具だけ。
リハビリ中はキャリーケースのような機械で持ち運びしながら頑張っている。
松岡先生のマッサージや指導のおかげで麻痺も少しずつ感覚を取り戻してきた。
自分で意識して動かしてみたり...
ピクッピクッって脚が動いた時は感動した。
今は支え棒を両手で持って少しずつ歩くリハビリをしている。
汗だくになりながら頑張っている姿をみると、なんか泣きそうになる(笑)
自分の存在を全否定している時期もあってどう翔に伝えていこうかと悩んだ事もあった。
あのまま翔が自分の存在を全否定して、何かが爆発して別の道に行っていたら...
もしかしたら誰かが助言をしてくれたのかもしれない。
その存在は翔にしか分からないけど。
少しずつ翔の身体からチューブや点滴が外されていくのを見ると本当に良く頑張ってくれたって。
身体には様々な傷があるけどそれは翔が頑張った跡。
決して弱いってことじゃない。
絶望の状態から救ってくれた色んな先生の支え。
それが無かったら...
今はこうして翔のリハビリを見ることが無かったかもしれない。
翔の体調は日に日に良くなってきていてもう少ししたら人工心臓も離脱出来るかもって。
たまに体調悪い日もあるけどそこはね...どうしても無理なものは無理だから。
少しずつ。
少しずつだけど確かに生きている。
発作の脅威(翔)リク end
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
