発作の脅威（翔）6 ページ2
智side
「んっ...ふっ...んっ...」
和「..なんで...ねぇ...んっ...」
朝行ってくるねって言ったのに。
次会う時はこんな姿なんて。
病院から連絡がきて和とタクシーに飛び乗ってここまできた。
通されたのはICUの個室。
低体温症で鎖骨にチューブを入れて血液を温めて戻す装置。
ほぼ裸の状態で毛布が何重にも重なっている。
そして極め付きは...
胸からお臍あたりまである人工心臓の器具。
また両足首にも点滴の針が刺され、赤い皮膚が痛々しい。
2人して涙が止まらない。
藍沢「主治医をさせて頂く藍沢と申します。」
そこに先生が現れて話がされる。
蘇生まで40分経過したこと。
低体温症の影響で発作か発生し、重度の低体温症で鎖骨にチューブを入れていること。
翔の心臓は心筋梗塞の影響で心臓が今は自分の力で動かすことが出来ず、人工心臓で何とか動かせている。
蘇生まで時間が掛かった事で目が覚める確率が低く、目が覚めても高確率で後遺症が高く、今後寝たきり生活になる可能性も否定出来ない...
医者として再び仕事が出来るのは難しいこと。
藍沢「...目が覚めずに植物状態になることもお考えください。あとのご兄弟は...？」
「のちほど...翔の上司とこちらに...」
雅紀と潤は仕事で病院にいるから、先輩が車に乗せてこっちに向かっていると連絡が来た。
藍沢「つぎに...急変したら、翔先生の身体は限界の状況になりもう心臓が動かなくなります。
今夜が山と言いますか...覚悟をもった方がよろしいかと...」
和「やだ...んんっ...」
その言葉を聞いた和がICUから出ていってしまった。
その姿を見た先生が口を開いた。
藍沢「冷凍倉庫の中で亡くなってもおかしくない状況でした。でも、今こうして生きています。翔先生もまだ医者として活動してほしいと...私自身が思います...ではここで１回失礼します。」
先生は外へ出ていった。
シュー...シュー...
自分達が無理に翔の事を生かしているのではないか。
こんな身体中に傷を作られ、器具を刺され...
翔は生きたいと思っているのか...
このまま自由にさせるのも一つの手でもあるのか...
「みんな...来るまで頑張って...」
急変しないで...
せめてみんなが来るまで...
不謹慎かもしれない。
でも、言ってないと自分までおかしくなってしまいそう。
翔に言うのは違うかもしれないけど、生きたいって思ってくれたら...
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
