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その命を救う為に 3 ページ35

『彼女は光の世界の心地よさを知ってしまった。白であることを望んでしまった。もう、黒に戻ろうとは思わないんです』


「まるで見てきたかのように言うじゃないか」


『見てきたから言ってるんです』


そう、揺らぐことなく言い放つ。

赤井さんは訝しげに瞬きをした後、携帯を取り出しこの静かな空間にコール音を響かせた。


内容は、緊張もあいまってよく聞こえない。

でも、多分仲間への相談だろうってことくらいはわかる。私も馬鹿じゃないから、それくらいはね。

やがて何かしら話がついたのか、電話を切り、再び此方を見据えてきた。


「ここへの入り口は日本の警察が包囲しているらしいな」


『それがなにか?』


「いや、なんでもないさ。観覧車の裏手に仲間を待機させた。キュラソーはそこへ連れていけ」


仲間ってことは恐らくFBIの誰か?

って、本当に保護してくれるつもりなのか。

自分で言っておきながら、なかなか無茶なことを言ってる自覚はあったから思わず目を丸くしてしまう。


『……引き受けて、くれるんですね』


コナン君ならいざ知らず、こんな一般人の提案を飲んでくれるとは思わないでしょ?


だって、私めっちゃ怪しいんだよ?

少しは信じてくれたのかなって、自惚れたくもなる。


『本当に組織の仲間だったらどうするつもりなんですか。仲間に言うかもですよ?そこに武器をもって押し寄せるかもしれないんですよ?』


「FBIはそんな柔ではない」


赤井さんの瞳。

あまりにその表情が変わらないものだから、自惚れも無駄なんだと察する。


『……なんだよ。結局私は敵か』


誰にも聞こえないほど小さな声でそうひとりごちた。これは殆ど八つ当たりに近いもの。


現実は夢小説のようにトントン拍子にはいかないって、そんなこと知ってる。

分かってる。分かってた。

けど、やっぱり疑われるって辛いよ。


このままずっとこんな対応されるのかな。
それは嫌だな、なんて。

過去の私が何故誰にも関わらなかったのかが分かったよ。



……今はこれ以上考えるな。


キュラソーを助けるって決めたんだから今はそれ以外考えるな、私。

ハァ、とため息をついて自分の鞄からひとつのライトを取り出し、赤井さんに向けて投げつける。


『それを、貴方を憎む彼に渡してやってください。私から会う手段はないもので』


「……いいだろう」


振り向き様に見た彼の瞳は、冷たく、まるでこちらの底まで見抜くような目だった。

それって本当は→←その命を救う為に 2



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白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白菜 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月23日 22時

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