似た者同士 2 ページ30
「あら、遅かったわね」
倉庫内には既に柱に繋がれたキールと、それを監視するかのごとく入り口に立つベルモットが居た。
「ベルモットが手荒すぎるんじゃない?僕はわがまま姫を丁寧に連れてきてるんだからそれなりの時間は許してほしいものだけどね。
と言うか早くバーボン繋いでよ。僕には重荷だ」
そう言って銃口をバーボンの腰に当てると、彼はやれやれと困った様子で腕をあげ、柱まで歩いていく。
近づけば近づくほど、キールの表情が歪んでるのも見える。
潜入捜査向いてないんじゃない?分かりやすすぎるよ。
なんて考えながら、柱のそばまできたバーボンの手を後ろで組み、その手に錠をかける。
そろそろジン達も合流するのかと思うと気苦労が耐えなくて、短くため息をついた。
「にしても、貴方の事だからバーボンを逃がす可能性も考えていたのだけれど、杞憂だったみたいね」
突然の台詞に一瞬ドキッとするが、もう一度ため息をついて近くの木箱に腰を下ろす。
「逃がしたら認めてるようなものだから連れてきた方がいいでしょ。それにキールはともかく、バーボンの事は信用してるよ、黒じゃないって。今回の件だって、拉致させたってことはまだ確定ではないんでしょ?」
「まぁね、でも随分と信用されてるわね。彼に情でも湧いたのかしら。それとも、体の相性でも良かった?」
「……バーボンとはそんな関係じゃないよ。やめてくれる?」
此方を野次る発言に、苛立ちの勢いのままベルモットへと銃口を向けた。
ベルモットを見ずに、それでも照準はしっかりと眉間を撃ち抜くように。
「冗談よランビック、そんなに怒ることないじゃない。貴方にはまだ早い話題だったかしら?」
くつくつと笑うベルモットを横目に再びため息をついて銃を懐へ仕舞う。
ふと外から強い殺気を感じて立ち上がると、ベルモットやバーボン、キールも察したらしく一気に表情が曇った。
「役者は揃ったみてェだな」
そう言って倉庫に入ってきたのは、黒い帽子に黒のコート、そこから溢れ出る艶やかな銀髪が美しい男。
ジンだ。
1233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ