【名探偵ｺﾅﾝ】私、今日から一般人辞めます

なんだかんだ悪人 3 ページ27

純黒の悪夢(ﾅｲﾄﾒｱ)。

劇場版名探偵コナンシリーズ第20回目の作品。
前年度と比べ20億近く多い興行収入を叩き出した大ヒット作品。


“Non Official Cover”

正式な身分を隠して活動している諜報員を載せたリスト。

通称NOC(ノック)リストを奪われた事によって始まった大事件を描いた作品。


その舞台が、"東都水族館"。


正確には観覧車がメインだけどね。


『推しが初めてスクリーンに映った作品を知らないわけがないよね。純黒がどうしたの？』


「明後日なんだ」


『……え？』


何が起こったのか理解できぬ私を見ながら、菖蒲が紅茶を一口すする。

ゆっくりとカップを机に置いてから、立ち上がり、そばの棚から一冊のファイルを持ってきた。



「先日ラムから知らされた話なんだけど、明後日キュラソーがNOCリストの奪取に警察庁に侵入するらしい。これがその経路と逃走経路」



見せられたファイルに書いてあったのは、警察庁、警視庁の見取り図にデータの在処の推定、当日の警備員巡回経路と人数予想と監視カメラの配置。



『なに、これ。めっちゃ機密漏れてるじゃん。私、警察がすごい心配になってきたよ』


「……ま、仕方ないと思うよ。これを調べて提出したのは他でもない僕だからね。勿論嘘も交えてるから心配しないで」


『なんか急にすごい安心した』


そしてキュラソーはそのちょっとした嘘のせいで降谷ゴリラパンチを受けなければいけなくなるのね。

可哀想に。


って、明後日！？

明後日にあの観覧車バトルするの？
え、ダメ。心の準備が。


『いや、てかなんでそれを私に言ったの？』


そう言うと、菖蒲は呆れたように大きなため息をついた。


その場にあった資料から、当日の予定と予測担当箇所がかかれた資料を取り出す菖蒲。

覗き込んで見てみると、図付きでとっても分かりやすい。これができる男ってやつか。



「この世界に来たばっかりな君は間違いなく首突っ込むかと思ってね。
だったら先に情報交換しとかなきゃ。僕、当日は組織側だから出会ったら始末しなきゃならなくなるし」


『始末……』


「こんなことで殺されたくないでしょ？」


『私を殺す権利はバーボンにしかありません』


そう真顔で返すと、その調子なら心配なさそうだねと苦笑いを返された。

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