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✽アオイside




風雅は渡さないともう覚悟を決めていた。
だが…


天竜人「本当に知らんのかえ?」


風雅を余程気に入っていたのかしつこく聞いてくる。


アオイ「えぇ。本当です」


冷や汗を垂らしながらも答えに迷いはない。
…しばらくして天竜人も諦めたのか風雅のことを聞いてくることはなくなった。
だが…何かに気づいたように天竜人はこちらをじろりと見て顔を青ざめさせる。


天竜人「…その角は何だえ…?!…貴様ら、噂に聞く妖という化け物かえ!?」


カチャッ


アオイ「!!」


天竜人が銃をこちらに向ける。
海軍、戦士の緊張が走るのがわかる。
家臣の者達が今にも前に出てきそうで、天竜人からは見えないように手で制す。


アオイ「……」


何も言わず、固く口を閉じたまま真っ直ぐ天竜人を見つめる。


天竜人「…何だえその目は!化け物の分際で!!わち気を誰だと思っている!!死ぬんだえ!!」


ドォンッ


『…いやぁ…!!』


…どこか遠くで聞こえる銃声と愛しい娘の声。
そして…


アオイ「ッッッ!!」


胸に広がる赤い血。
鈍い痛みに撃たれたことを悟った…。


ドサッ


…思わず地面に手をつく。


アオイ「…がはっ」


口に鉄の味が広がる。
…戦士達が殺気立っているのがわかる。
そして海軍で昔の顔なじみであるガープが目を見開いているのがぼやけて見えた。


アオイ「(だが、何があろうとも天竜人に手を出しては行けない…)」


…戦士達に武器をおさめよ、と伝えようとしていた時だった…。


『…っお父様ぁ…!!』


目の前に涙を溜めたAが飛び込んできたのは…。


アオイ「…!!(だめだ…今動いては…!!)」


そう思うも遅くAは涙をボロボロこぼして胸に飛び込んできたのだった。


アオイ「!!!!」


…まずい、そう思った時にはもう遅く…


天竜人「誰だえ?貴様もわちきに逆らうのか!?貴様も死ぬがいいえ!!」


もう一度ドォンッという発砲音が響き、その玉の行先には自身の胸の中で震えるAがいたのだった…。


戦士達が必死に食い止めまいと動くのがわかる。
ハルが泣き叫ぶ声も聞こえる。


だが…


この愛しい娘だけは何を犠牲にしようとも守り抜くことをこの子が生まれた時から誓っているのだ。


だから…


弾丸がA目掛けて迫る途中そっと手でAの目を多い、まだ小さな体を守り抜くように力強くだきしめたのだ。


そして…
その弾丸は…


ハル「アオイっっ!!」


…俺の左肩を貫通したのだった…。

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sora(プロフ) - ありがとうございます!!今受験のため更新がこ出来ていなくてごめんなさい(>_<)もう少しお待ちくださると嬉しいです!! (2019年2月22日 0時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - すごい面白くて必死に読んでました!更新楽しみにしてます! (2019年2月20日 18時) (レス) id: cb802c0a66 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!最近忙しく更新ができていなくて申し訳ないです(>_<)空いている時間に更新を頑張るのでまた読んでくださったら嬉しいです(*^^*) (2019年1月25日 21時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 凄く面白かったです!続き楽しみに待ってます!頑張って下さい! (2019年1月25日 12時) (レス) id: caa5a8f062 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 夏季さん» 本当に申し訳ありません。そしていつも応援して下さり本当にありがとうございます! (2018年12月16日 17時) (レス) id: 6f4d88280c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2018年12月1日 18時

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