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侵食の時間 ページ15

「これで…茅野さんは大丈夫になったんですか?」

「……ええ、おそらくは。しばらくは絶対安静が必要ですが」

ピンセットで触手を抜いたカエデちゃんは一向に目覚める気配がなく愛美ちゃんが心配そうに殺せんせーを見やる

先生は辛そうながらも丸を指で作るのだからきっと大丈夫

キスで動きを止めた渚くんには先程スマホを向けていた二人がからかいに行っている横で殺せんせーが苦しそうに血を吐いた

心臓の修復には時間がかかるから話を聞くのは待ってほしいと笑う姿の痛々しさに心が傷んだ

生徒との約束は絶対に守ってくれるこの先生を殺さなくてはいけないのだ。私は

『………!殺せんせー!』

不意に公園の木の影から殺気を感じコートの下に隠していた銃を取り出す

対先生弾を殺せんせーが避けると彼らが暗闇からそっと姿を表す

「瀕死アピールも大概にしろ。まだかわす余裕があるじゃないか」

「……シロ!!」

相変わらずタイミングが悪い所で現れる男に内心舌打ちをしながら睨み付ける
彼の視線がやけに冷めているのは気のせいではない

「大した怪物だよ。いったい1年で何人の暗殺者を退けて来ただろうか
だが…ここにまだ3人ほど残っている」

白い頭巾の下のボイスチェンジャーを外すとシロが初めて素顔を晒した
左目は見えていないのか義眼のようなものが埋められている

「最後は俺だ。全て奪ったおまえに対し…命をもって償わせよう」

二代目と呼ばれた全身を黒いジッパー付きコートで覆われた殺せんせーを狙撃した人物の肩を叩くとシロは去っていく

きたる3月に呪われた生命に完璧な死をと何とも言い難い文句を残して

「ケ。あんな奴のブサイクな素顔なんてどーでもいいわ。それよりこっちだ、目ェ覚ましたぜ」

村松くんの声に全員がカエデちゃんへと振り向いた
平気そうな顔色にほっと一息

「……私」

「茅野さん……よかった」

渚くんが平気かと問えば少し頬を染めてそっぽを向く彼女に首を傾げつつもその傍らに座り込む

私を視界に入れると申し訳なさそうに目を逸らしながらカエデちゃんが心の内を吐露し始めた

泣きながら話す彼女を誰も咎めたりなんてしない。例え皆と目的が少し違ったとしてもカエデちゃんは皆の仲間だ

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なな - めっちゃすきです!(;ᴗ;)更新まってます!! (2022年8月19日 16時) (レス) @page42 id: 3ea5956e3b (このIDを非表示/違反報告)
2k?(プロフ) - 大好きです!!!!! (2022年8月9日 23時) (レス) @page42 id: 086cbb7ccc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの駄作者(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。続き楽しみにしています (2021年5月3日 8時) (レス) id: a3e16989e8 (このIDを非表示/違反報告)
mrsk11(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年5月1日 14時) (レス) id: 7abb019b27 (このIDを非表示/違反報告)
琉渚 - 更新楽しみにしてました!!ありがとうございます!! (2020年4月8日 1時) (レス) id: 98b9c9a2d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2019年4月10日 16時

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