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猛獣の誤ち ページ5








その一件があってから、グリムは監督生をからかうのを控えるようになった。

あのジャイアンも真っ青のカレー(笑)を食べたら今度こそ死ぬと感じたからだ。



「うわグリム、どうしたのお前!?」

「死んだ魚みたいな目をしているな。何かあったのか?」

「アレの恐ろしさを知らないオマエらにはわかんねぇんだゾ……」




グリムが死んだ目で思い出しているのはあの直後のこと。



目を覚ましたグリムの視界に映ったのは自分を心配して泣く監督生の姿だった。

監督生は嗚咽を漏らしながらもグリムを手厚く看病し、オーバーなまでに心配した。

ただし一言も謝罪はしなかった。
それもそのはず、監督生はこの悪戯好きな相棒が自分の手料理のせいで倒れたなんて夢にも思っていないのだから。



そんな監督生を目の前にして、グリムは「オマエの作る料理は冗談抜きで有害だからもう作るな」とは言わなかった。


正確に言えば思い留まったのだ。

その理由は単純、監督生が自分の作る料理の殺傷能力の高さに気付き、それを脅しに使うようになったらいよいよ自分の勝ち目がなくなると思ったから。



しかし、監督生はどっかのタコちゃん程ではないとは言え相当な努力家であり、基本的には(・・・・・)熟慮の寮長に負けず劣らずの善良な人物であった。

だからその料理がお世辞にも上手くないことを指摘すれば、監督生は改善するよう努めただろう。



だがグリムの思考はかなり、いや凄く捻くれていたため、それを指摘しようとしなかった。



それが彼の犯した一つ目の誤ちである。



グリムは計らずして自分の料理は至って普通だと信じて疑わないダークマターメーカーを爆誕させてしまったのだ。



「あ!」



そんなことは露知らず、これからどうやって生き延びるか思案中のグリムを横目に、エースは思い出したように口を開いた。



「そういえば明日じゃん、何でもない日のパーティー!」

「嗚呼、寮長がお詫びのタルトを自力で作ってくるって言ってたやつか」

「タルト…タルトかぁ……寮長、何のタルト持って来ると思う?俺、苺のタルトに購買のカフェラテ!」

「じゃあ僕は……」




タルトと聞くとやはり五人で作ったマロンタルトを思い出す。
流石に寮長はマロンタルトを作ってこないとは思うが……



「ん?」



ふと、グリムの脳内にある謎が浮上した。






「(あのカレー、結局どう処理したんだゾ?)」

地獄への道は善意で舗装されている→←・



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エストレーラ(プロフ) - 謝罪 リクエストしてくださった方、ごめんなさい。リアルで多忙のためここで一旦、更新停止させて頂きます。らしいです (2020年10月5日 7時) (レス) id: f824d20108 (このIDを非表示/違反報告)
蒼い鈴(プロフ) - 文字化けしてますよ...あっ、初コメ失礼しました。 (2020年10月3日 18時) (レス) id: 3d518f9199 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎさん - この作品好きです!それと、リクエストなんですが、スカラビアコンビと絡ませてほしいです! (2020年9月30日 17時) (レス) id: 00da07b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - めっちゃ笑いましたw リクエストなんですが、イデアパイセンとの絡みお願いします。 (2020年9月26日 8時) (レス) id: 17d7dc943c (このIDを非表示/違反報告)
シズ - もつにゃさん» こちらこそコメントありがとうございます〜!沢山の方に見ていただけて本当嬉しいです。。。更新頑張ります(*´ω`*) (2020年8月26日 22時) (レス) id: d9dcc80917 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鮭 x他2人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月10日 8時

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