【ハイキュー】残念、女の子は顔じゃないらしいよ。

3！ ページ30

※主が今だけ平凡じゃないというかなんというか
−−−−
▽(澤村視点)






今日は、やけに話しかけてくるスガと旭を怪訝に思った。

けれど日向が「影山と月島が部室で喧嘩して！止められません！」と呼びにきて、急いで部室に行った。


すると待ち受けていたのはクラッカーの音で、今日は俺の誕生日だったと瞬時に思い出した。




それからは文字通り盛大に祝ってもらい、思わず涙が出そうになった。

コイツら…ッ。


清水と谷地さんがいないのは気になったが、聞いたら用事があったらしいと言われ、それ以上は何も思わなかった。






けれど今。


ドタバタとこちらに負けないぐらい騒がしい足音と共に、部室の扉が勢いよく開いた。

スガが「やっと来た…」と小さく呟いたのを聞いて、またサプライズか？と思ったが、そんなことすぐに頭から消しとんだ。









　







「……誰、だ？」



そこには、清水と谷地さんと。

二人に劣らない、もしくはそれ以上の可愛らしい女子生徒が立っていた。


俺以外の部員も全員が目を見開き、全員知らないやつなら本当に誰なんだ、と俺は瞬きを繰り返した。




「えっと…？」

『…ッ、あ、もっもうマジで帰りますね！？』

「！？そ、その声、九条か！？」




その女子生徒は顔を真っ赤にしてうつ向いて部室を飛び出そうとした。

それを清水が押さえ、谷地さんが容赦なく扉を閉めた。
あれ、谷地さんそんなキャラだっけ？


それは、ともかく、








「ぶはーッ！！お前マジで九条か！？あの九条！？」

「すげぇ！！マジで惚れそうになったぜ！！」




田中と西谷は爆笑して床を転げ回る。

縁下、成田、木下は目線をそらしたり泳がせたり。


一年は全員、目を見開いたまま真っ赤になっていた。


スガと旭も顔を赤くして「ビ、ビビッたな！」「す、すっげー可愛い…」と肘で小突きあってた。

俺は、驚きすぎて声が出ない。





『もう止めてください死ぬホント嫌だもう嫌だ帰りたい』




当の本人の九条は、恥ずかしさでか半泣きになっていた。

いつものふてぶてしい態度や、不機嫌そうに寄せられた眉は全く見当たらない。


……なんていうか言っちゃ悪いけど、男が夢見る、本当の女子校生に見えた。


そしてそれは一年(特に影山)には刺激が強かったようで、日向が「影山が倒れたー！」と叫んでいた。



俺は相変わらず声がでない。





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