59 女の子の扱い頂きました ページ19
・
国見くんと二人でコンビニのお菓子売場の前で無言。
……うん。
何事もなかったように会話進めよ。
『えっと、じゃあ、良かったら名前で呼んでいいよ。私の名前分かる?』
「A」
『えっ』
「……だよね?」
『う、うん!』
いや、合ってるけど、大して接点ないのに覚えてくれてたことに驚いた。
まあ、私も国見くんの名前は覚えててるけど。
『つーかイケメンに改めて名前呼ばれるとなんか照れるね』
「ぷっ、なにそれ。及川さんや影山にいつも呼ばれてるだろ」
『返品するわ』
「ノーサンキュー」
『受け取れ』
顔を見合わせて笑った。
国見くんはノリがいいし話易いから好きだ。
まだすごく親しいというわけじゃないからかもしれないけど、私が声を荒らげる内容がない。
喉に優しい。
「そういえばAって影山と付き合ってんの?」
『なにその超絶糞デマ!!』
優しくなかった。
「アイツがあんな楽しそうに女といるとこ初めて見たからてっきり」
『どこらへんが』
「……影山報われなそう」
『え?』
ていうか影山って恋愛とか興味なさそう。彼女なんかよりバレー優先しそうだし。
女の子はやっぱ自分をなによりも一番に優先してほしいものだからね。
まぁどっちにしろ長続きしたいならお互い伝わる程度の愛は必要だよねぇ。
なんて言ったら国見くんは「じゃあAはどんなやつがタイプなの?」って聞いてきた。
『え、なんでそんな話題になったの』
「だってあんなに愛してくれそうな及川さんすら無視だから」
『あれはちょっと違うよ』
「じゃあどんな人?」
『なんかグイグイくるね?』
「うん。少し気になる」
『そんな真顔で言われても…。あー…けど強いて言うなら、私を退屈させない人かな』
「……いなそう」
『なんで』
国見くんは私を無視して「ふーん」と呟くと、またも急に話題を変えて「Aなんか買う?」と聞いてきた。
突然一方的に変わる話題に驚いたけど今日の気分で『ミルクキャラメル』と答える。
すると何故か国見くんは一瞬目を丸くした。
けどすぐに無表情に戻ると商品棚からミルクキャラメルと塩キャラメルを一つずつ取った。
そして手早くレジで会計を済ませ、シールの貼られたミルクキャラメルの箱を私に渡した。
『えっ』
「話に付き合ってくれたお礼。そろそろ帰ろう。暗いから送ってく」
『国見くん私と付き合わない?』
「考えとく」
『やったー』
・
60 隠しているのはなんですか→←58 絶妙な嫌がらせですね
2350人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます!!数年もたった今更にまとめての返信になってしまいすみません、全てのコメントは当時にちゃんと読ませて貰ってました…!完結してから随分経ってしまいましたが、新しくコメントくださった方もありがとうございます! (2021年5月3日 13時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - もうこの小説作ってくれた作者様に、感謝だわ。 ありがとうございます!(スライディング土下座) (2020年6月6日 18時) (レス) id: 8baac5d0e6 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - なんかひいおばあちゃんずるい。クロと誕生日同じだよ?!ぼくなんか8/20というなんという日にちだよ。あと1日早く生まれたかった\(^o^)/ (2016年12月17日 17時) (レス) id: ef4590e231 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - それから未確認さん、今までありがとうございました!未確認さんへの作品を作ったのでぜひ見てください。http://uranai.nosv.org/u.php/enq/mikakuninn/ (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 実は、未確認さんへのメッセージを書いた作品を作りました。これを見ている読者の方はぜひ、参加していただきたいです! (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ