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さて、私と幻影旅団の関係をどう説明しようか。
今更…というには私も最近思い出したばかりなのだが、それをクラピカ氏達に説明するのは正直面倒くさい。そもそも皆には関係の無いことだし、いざ話されたら反応に困るような内容だと思っている。
だからあまり話したくないのだけど、その結果私のことを怪しいと追放してくれるのならそれもそれでありかな…。元々居たくてここにいる訳じゃないですしね。
『知り合いではあるけど、友達未満かな』
「…そうか」
『裏切り者に見える?』
「いや、それはない。もしそうならセンリツが気づくだろうし、それ以前にこの状況にはなっていなかったはずだ。…なにより、私にはお前がそのような事をするやつには見えない」
少し意地悪な質問で返してしまった私に、断言するクラピカ氏と、運転しながら頷いたレオリオ氏。確かにセンリツさんが何も言わなければ信頼するには十分だけど…、こういう温度差が私を微妙な気持ちにさせているんだろう。
裏切ってはいないのに、なんだか後ろめたい気持ちになって言葉に詰まっていたら、団長の男が小さく笑った。
「……何がおかしい」
当然それを気に食わないクラピカ氏が反応し彼を睨む。その低い声に怯むことなく、男はくつくつと笑いながら口を開く。
「おかしいさ。…お前達は随分とこの女を信頼しているようだが、この女はそうじゃないだろう?」
「何…?」
私にちらりと目を向けた彼に、ピクリと頬が引き攣つる。あのスミマセンこれ以上私がここに居づらくなるような話は控えてくれませんかね?だってもうそれは完全に私の性格の問題じゃないですか!
「仲間の癖して、本当に何も知らないんだな。まさかコイツが鎖野郎とグルだとは思わなかったが、なるほどな。……お前達に付き合わされているだけか」
それなら何も聞かされていないのも納得だな、と挑発気味に目を伏せた男。なんだその挑発。そんな私を餌にしたって誰も乗らんよ…と思っていたらとんだ思い違いだったようで、クラピカ氏が立ち上がり私が間に居ることも構わずに男に殴りかかる。ちょ!?
レオリオ氏がそれを止めようとして運転が疎かになり、このままじゃ仲良く全員事故死だと思った私は慌ててクラピカ氏を止めにかかる。止めようにも相手を殴り続ける拳を掴むことなんて出来ず、軽率に男を庇うように前に出たら私が殴られた。
い、痛い…!父さんにも殴られたこと…、めちゃくちゃあったんだったわぁ……。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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