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ビスケさんとキルアにまでそう言われたら、無理強いする事なんてできないししたことも無い心優しき少年ゴンくんは、少しだけしゅんとして「そっか…じゃあまた今度だね!」と諦めたように頷いた。それに少しだけ罪悪感を感じながらもやっぱり行こうとは全く思わないからこれでよし。


『んじゃ二人共、気をつけて〜』


キルアが片手をあげて「またな」と息をつくように笑って、今まででは考えられないほどあっさりしている別れに違和感を覚えながらも、ビスケさんと共にアカンパニーの効果範囲半径20m、ゴンくん達から距離をとる。私達が離れたのを確認して、気を引き締めたゴンくんがカードを頭上に掲げる。静かに息を吸い、アカンパニーを唱えようと口を開いたその瞬間。
さて私はさっさと家に帰って部屋に引きこもろう〜!としか思っていなかった思考が停止したのは、なぜか隣にいたはずのビスケさんの姿が見えなくなって、いつの間にか私の背後に回っていることに気づいたからだ。えっ。


「ーーまだ危なっかしい二人を、よろしくね」

『!?、うっ』


反応するよりも早く、どんと背中を押されて、転びそうになりながら咄嗟に足を前に出して衝撃を流す。そのまま何歩かゴンくん達の方へ足を進めてしまった。慌てて顔を上げるとキルアがにやりと笑っていて、隣で驚いた顔したゴンくんがすぐに察したようにはにかんだ。ちょっと待ってまさか。
そのたったの数秒がやけに長くスローモーションに感じたせいで、状況を理解するのも早かった。


「アカンパニーオン! 二ッグ!」


ゴンくんの声が響いたのと同時に振り向くと、ビスケさんが非人道的な行為をしたのとは反対に、やけに優しい顔をして手を振っているものだから、もう、なんていうか。
意地でも行くまいと能力を発動させる気さえ削がれて、ビスケさんによりアカンパニーの効果範囲内に突き飛ばされて無抵抗な私もスペルの光に包まれる。まぁ、はい。

完全にはめられたわけですけどね。

世知辛い世の中に目頭をおさえた今日この頃。
またしばらくお家には帰れなそうです!


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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未確認歩行物体 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年5月24日 17時

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