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何故ここにいるのかと問うゴンくんに、ヒソカは僅かに思考した後ウソをついた。クロロを探している、ね。探しているのは除念師なんだけど、ウソをついた理由は恐らく二人に除念を阻止される可能性を考えてだろうか。まあ、随分と長く焦らされていたみたいだしね…。
「…とりあえず、ヒソカは分かった。んで、Aはなんでここにいるんだよ」
「彼女には僕が依頼したのさ◇ 随分と面白い能力を持ってるみたいでね…居場所が分かり次第そこまで連れて行ってもらおうと思って♠」
「…コイツがそんなのに付き合うとは思えねーけど」
「勿論、断られたからイルミ経由さ◆」
ヒソカお前ナイスすぎないか?まさに有り得そうな話をポンポンと思いつくヒソカに脱帽。その説明なら私がクロロさんとクラピカ氏の大きく対立する二人の、丁度真ん中に立ってしまっていることも感じさせない。
私とクロロさんの関係はまだ誰にも詳細を話していないし、当然ゴンくんやキルアは知らないだろう。顔見知りであることはバレているだろうから、ヨークシンシティで暗殺依頼を受けたシルバさん達に同行して、そのターゲットがたまたまクロロさんだったとでも後で説明しておこう。ウソは言ってない。
「…さて、今度はこっちが聞く番◇」
解せなそうに納得するキルアとゴンくんを見て、今度はヒソカが質問する。
「まさか、その質問をする為だけにここに来たわけじゃないだろ?」
「ううん、そうだよ」
邪心の欠片も無い表情で肯定したゴンくんに、流石のヒソカも呆れ返る。ゴンくん…君って子は…。
「…あのぉ、」
引き笑いしていると、控えめにビスケさんが口を開きそちらに目をやる。
「実は私たち、できるだけ強い人を探しているんです…っ。仲間なって頂けませんか…?」
どう見ても50代には見えなすぎる。高めの猫なで声で両手を握ってお願いするビスケさんは、まさに昔の少女漫画にでも出てきそうな幼気な少女だった。昔のね。背景に薔薇が咲いてる。
「ん?いいけど、強い人を探してる理由は?」
「えちょちょっと待てよ!俺は反対だな、危険だぜ!?」
「そーだよ! Aはともかく、ヒソカは…!」
ビスケさんと呆気なく承諾するヒソカとは逆に、考え直せと言わんばかりに反対するキルア達。後ろを向いてなにやらヒソヒソと話す彼らを尻目に私は念字を書いた。
『(じゃ、私は帰るね)』
「(ダーメ♡)」
甘ったるい口調なのに世界一可愛くない。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです!最高! (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです!番外編や次回作など楽しみにしてます!できたらで良いので書いてくれると嬉しいです!素敵な作品を書いてくださりありがとうございました!!! (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです!蟻編楽しみにしています! (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません!更新いつまでもお待ちしております! (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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