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クラピカ氏がよく分からないことに思いを巡らせている中、私は少しだけ焦っていた。心底申し訳なさそうに私の頬を撫でる彼に、むしろ私も申し訳なくなる…が、でももうそれは問題じゃなくて…。そろそろ、やらねばいけない事があるだろう。
そう！ゴンくんとキルアの奪還。
だから！万が一！二人が！殺されたら！私はイルミさんから逃れるための世界旅行を計画しなきゃいけなくなるんですってば！そんな最初から詰んでいる逃走中なんて、いくら金をつまれてもやりたくない。
こんな理性もクソもない弱肉強食な世界で、危ないことに首を突っ込んだ時点で自業自得なのに。それにとばっちりを受けることだけはどう考えても理不尽だが、そういう運命なのだ。クソ喰らえだね。
ようやく落ち着いたのか、ゴンくんとキルアの奪還を計画したクラピカ氏が、蜘蛛の団長の男の携帯から、旅団のメンバーに電話をかける。
因みに団長の名前はクロロさんと言うらしい。まぁ知ってたけどね…。
空港に車走らせるレオリオ氏と、たまに私を見ては何か言いたげに目を伏せるセンリツさん。心音から相手の感情を読み取る能力なんて、本当にチートすぎるよ。私が裏切る気などないことは分かるのだろうけど、自分のことしか考えていないクズってことも分かってしまっているんだろうか。はぁ…ただでさえこの場に居づらいのに、余計に居づらく感じてしまう。血の味しかしない口内も痛いし。
こうなったのは、どちらにもつかず中途半端な位置でぶら下がっている私のせいでもあるが。
こんな状況でもポーカーフェイスを突き通す幻影旅団のクロロさんには、心底その度胸を分けて欲しいなぁと思います。相変わらず昨日の戦闘時とは全く雰囲気違うんだけど、なんなの？二重人格なの？
「ーー八時までにリンゴーン空港に来い」
パクノダという女性に指示をだしたクラピカ氏が電話を切る。横目で様子を見ていると、電話を握りしめる手が僅かに震えていた。まあ…クラピカ氏も大概中途半端な位置で揺れてるよね…。
……ねえ、クラピカ氏。私はクラピカ氏の考えを理解してあげることは出来ないけど、これでも納得は出来るつもりなんだ。口を出す気もないし、権利が無いことも分かっているけど。
いくら私だって、出来ることなら誰にも死んで欲しくないんですよ。
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未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます。まとめての返信で失礼します。しばらく更新していないにも関わらずたくさんの反応を頂きとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年11月24日 18時) (
レス) id: 859f873e93 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 読んでいく事にチートっぷりを発揮してて面白かったです！最高！ (2021年7月8日 14時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて読んでいてとっても楽しかったです！番外編や次回作など楽しみにしてます！できたらで良いので書いてくれると嬉しいです！素敵な作品を書いてくださりありがとうございました！！！ (2021年4月8日 23時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
猫神(プロフ) - とても面白かったです！蟻編楽しみにしています！ (2021年1月16日 0時) (レス) id: f54e673977 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 番外編で構いません！更新いつまでもお待ちしております！ (2020年11月12日 22時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
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