哀夢 ページ21
その夜かぐやは不思議な夢を見た。
今日尋ねた日本家屋、本丸で自分があの子供たちと走り回っている夢。
｢こっちですよかぐやー!!｣
｢速いよぉ…待て待てー!!｣
キャッキャと騒ぐいちごさんの弟くんほかの見た事のない子もいる、それを嬉々として追いかける私。夢ながらも第三者のように自分を見つめる自分。なんとも不思議な感覚だった。
｢ほんとにみんな速い!!｣
｢戦ではかぐやが一番速いたい!!｣
｢私は世界平和の大義名分で作られたからここでは速くはならないのかな…足に力が入り切らないんだよね。｣
作られた…作られたって…???
｢かぐやや。｣
｢三日月!!おかえりなさい!!｣
全てをただ見つめていることしかできないかぐやはただ呆然としていた。
作られた、戦という引っかかる言葉が消化できていない間に信じられない、いや信じたくない光景が目の前に溢れたから。
頬を赤く染めてあの三日月宗近に抱きついている自分の姿を。
｢じじいの遠征の土産話を聞いてくれないか？｣
｢もちろん!!今日はどこに行ってきたのですか？｣
｢今日は華やかな城下町まで降りる任務でな、見目新しいものが沢山だったのだ。あなや、少し見ぬ合間に少し見目美しく変わった姫がおる。｣
｢はぁ…？｣
｢日に日に美しくなりおるの、かぐやや!!｣
そんな歯も浮くようなセリフを並べる三日月宗近に愛おしそうに頭を押し付け朗らかに微笑む自分の姿。
…これが私の記憶なら三日月宗近さんに酷いこと…しちゃったなぁ…
だんだん遠くなる感覚。目覚めの時間かと目を開けるとまだ月が明るく天頂で輝いていた。
｢謝るのも…明日…明日なんて…後ででいいや。｣
ベランダに出て眺めていた月は薄く今にも月の光の雫が溢れだしてきそうな輝きを見て何故だか自然とかぐやの頬から雫が数滴溢れた夜だった
｢まだ起きていたのですか？｣
｢数珠丸恒次、ちと目が覚めてな。｣
所変わって本丸。同じ時間にまた、三日月宗近も目を覚まして同じ月を眺めていた。
｢かぐやのこと…気になりますか？｣
｢あぁ勿論だ。しかし焦りはなくてだな、安心しておるのだ。｣
｢安心、ですか。｣
久しぶりに見た上を向く三日月に安堵しながらそっと数珠丸は彼の隣に座った。
｢お話を聞かせていただけませんか？少しは助けになる事を言えると良いのですが。｣
｢助かる…もう…上を向かぬと涙が出そうだったのだ。｣
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ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 18時) (
レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす＞ワンコ女子の力作見ましたわ！！表クール（？）で裏ワンコ！！発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。（ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ？ (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年8月29日 18時
