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長兄 ページ18

「我々が来た日、驚いたでしょう。」


「…はい。」




「おやつ時、ご一緒させてください。」と頼まれて断れる訳もなく、かぐやは一期一振と共に出された茶菓子を頬張っていた。




「三日月殿も必死なのです。ご理解頂けないとは思いますが…」


「いや、さっき話してきたんです。しっかり伝わってきました…私が大切にされてきたんだなぁって…」


「それは三日月殿だけではありませんよ。我々も貴女を大切に思っています。大切な仲間です。」




かぐやはその言葉に返す言葉を探していた。
しかし見当たらないのである。今自分がどの立ち位置で、どのような現実と向き合わなくてはならないか、言葉にすることが出来なかったのだ。




「今日ご一緒させて頂いたのは謝らなくてはいけないからなのです。」


「はぁ…」


「我らがここに来た時、貴女に抱きつき困らせてしまったのは私の弟達が多いのです。代表して兄であるこの一期一振が、謝罪致します。」




深く頭を下げる一期一振にかぐやはやるせない気持ちになった。




「あの…弟くん達に合わせてくれませんか?私の方こそ、今なら落ち着いてるから話したいことがあって…」


「よいの…ですな?」




俯いて頷くかぐやを見てそっと一期一振は席を立った。


見たこともないような日本の美しい景色が見えるこの部屋に、落ち着ける空気が流れていることにまた胸が締め付けられたのだった。

弟達→←微かな記憶



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ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 18時) (レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす>ワンコ女子の力作見ましたわ!!表クール(?)で裏ワンコ!!発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。(ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ? (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミューゼス | 作成日時:2018年8月29日 18時

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