赤い月 ページ4
1人で布団に潜りすやすやと眠るかぐや。
彼女の顔は厳しいものだった。
「かぐや…かぐや、こっちにおいで。」
「こっちだよ、早くおいで!!」
「…誰?」
頭の中で響く声、靄がかかったように声の主は見えない。が、とてもとても…懐かしい。
「…誰?」
「こっち…さぁ!!」
「誰なの!?」
自分が叫んでいるのが夢か現かも分からない、懐かしさだけがこみ上げてきて涙も出てくる。
「どこ!?貴方はどこにいるの!?」
「こっち、こっちに来て!!」
今自分が来ているのは寝巻き、すぐさま内番の服に着替えて庭に駆け出す。
冬の近付きを知らせる冷たい風が身体中の熱を奪いながら奔る。
「こっち!!かぐや!!」
声がする方は霧のように見えない、しかし声は確かだ。
「行くしかないよね。」
方向もわからないまま声がする方へ無闇矢鱈に駆け出すかぐや。周りにあるであろう草木も露も虫の音も土の匂いも感じずに、自分の最高速で駆けている気がした。
「どこ!?ねぇ貴方はだ…れ…!?」
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ある赤い月の夜、1人の刀剣女士が本丸から姿を消した。
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ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 18時) (レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす>ワンコ女子の力作見ましたわ!!表クール(?)で裏ワンコ!!発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。(ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ? (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミューゼス | 作成日時:2018年8月29日 18時