気分転換 ページ40
A「え……そ、そっか。わかった。仕事なら仕方ないもんね。ただ、体には気をつけてね、モトキ」
モトキからの電話を終わらせると、大きなため息をついた。
ここ最近、予定が合わずすれ違ってばかりだ。
休みが合うことも少なく、顔を合わせられずにいた。
そして、極め付けにモトキからの電話で打ちのめされた。
休みがやっと合いそうだった日程に海外に行くことになったとのこと。
仕方ない。仕方ないのはわかるし、理解もできる。
しかし、心が追いつかない状態だった。
A「うーーーー、あーーーーーもう！！！こんなモヤモヤやだーーー！」
ソファの上でジタバタと暴れる。
今も、撮影で忙しい合間を縫って電話をくれたのがわかっているから、すぐに終わらせた。
ひとしきり暴れると大人しくなる。
静寂の中、時計の秒針だけが音を奏でていた。
A「どこか、出かけようかな…」
遊ぶ予定が次々延期になり、ここ最近は出かける気にもなれなかった。しかし、このままではダメだと思い起き上がると出かける準備を始めた。
A「そうだ、海に行こう。海！」
自然と触れ合えばきっとスッキリする、と考えた。
電車とバスを乗り継いで海岸へと向かう。
バスを降りると潮の香りが濃くなり、自然と気持ちが上がってきた。
A「少しだけ浜辺歩くか…」
砂浜を歩き、波の音を堪能する。
何も考えずに、その音に集中した。
足を止めて、乾いた砂浜に腰を下ろす。
モトキは、一般人であって一般人ではない。
ファンがいて、有名で、人気者で。
わかっている。
会えない日が続いて、ナーバスになっているだけだ。
それを理解はできているが、感情が追いついてなかった。
じーっと砂浜の砂を見つめる。
ただ、ただ眺めた。
A「……………」
我儘を言って嫌われたくはない。
だからと言って、イイ人でいるのは嫌だった。
それを許し続けると、いつまで経ってもモヤモヤするばかりで、しっかりと気持ちを伝えないと長くは続かないだろう。
わかってるけど、なかなか難しいよなぁと後ろに手をつき、体を支えて空を見上げた。
自分の心を表してるかのように、空はどんよりと曇っていた。
A「そろそろ帰らないと、雨降るかな…」
腰を上げようと思うも、なんとなく動けずにいた。
ぽつり、ぽつりと雨が降り始める。
あー、と眉を下げつつももう、いっそ雨に濡れてしまおうとその場を動かずにいた。
次第に雨も強くなりびしょ濡れになりながらも海を眺めた。
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mikael(プロフ) - グミさん» コメントありがとうございます！少しでもきゅんとしてもらえたら嬉しいです✨ (2022年1月21日 11時) (
レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - きゅんきゅんでした！ (2022年1月21日 11時) (レス) @page50 id: c87cfc253b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikael | 作成日時：2021年1月30日 14時
