検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:35,841 hit

4話 ページ6

ベリアルが言う

「そういうことで、今日はAには頼れないんだ。だから代わりにオレが……」

「君も今日オフだろう」

すかさず突っ込む
それに彼は驚いた表情を浮かべ、

「誰から聞いたんだ?残念ながらそれはデマだ。今日はオフじゃない」

本当に残念そうに肩を竦める
そんな彼に向けて、私は言った

「天司長から聞いた。どうせなら二人でお茶でもするといいとコーヒーも渡された」

私はそう言って、持っていた麻袋を掲げる
それを見て彼は苦笑した

「なんだ、聞いてたのか」

やはりオフだったらしい
なぜ自分もオフなのに仕事をしようとするのか

私は呆れたように溜息を吐く

「それに、私より君の方が多忙だろう。休める時に休んどいた方がいいんじゃないか?」

「何言ってるんだ、君の方が多忙だろう?それにこの問題を野放しにしておくのは得策じゃないだろう?」

星晶獣の案件だ
もしかしたら面倒ごとになるかもしれない

彼の言う通り、早めに解決した方がいいだろう

「それなら先に頼まれた私が教えるべきだ」

「しかし君、あんなに休暇を楽しみにしてたじゃないか」

「そりゃあ君と久しぶりに話せると思ったからね」

私は書類仕事で室内に篭っていたが、彼はどちらかというと外の仕事が多い
会う機会が全くと言っていいほどなかったのだ

こうやって面と向かって話すのも久しぶりだ

「もしかして君、私に一人寂しくコーヒーを飲ませる気かい?」

私が意地悪く笑うと、ベリアルが目を見開く
それから少し頰を赤らめ、頭を抑える

「全く君ってやつは……」

「ということでミカエラ、資料を」

今がチャンスとばかりにミカエラに言う
それをすぐさまベリアルが止める

「っておいおい、ダメだ。君は休まないと」

頑なな彼に、私は困った表情を浮かべる

彼がこんなに強く止めるのは珍しい
いつもは彼が妥協案を出してくれるのだが

仕方がない
今回は私が妥協案を出そう

そう思い、私は言う

「とりあえず資料を見るだけだ。案外楽な仕事かもしれないしね」

「君は本当に頑固だな……」

それはお互い様だろう

私はミカエラに資料をもらえるように手を差し出す
彼女は戸惑いながらも私に資料を差し出した

5話→←3話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
121人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月14日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。