2話 ページ4
ルシフェルの言葉に、私は顔を顰めた
四大天使とは、これからルシファーが創り出す天司たちのことだ
この空の管理を完璧にするための一歩
火風水土、四大元素を司る天司たちを創り出すのだ
「……私の意見を聞きたいだなんて、それこそ必要性を感じないが」
私はそう言ってルシファーを見る
彼は大きく溜息を吐いた後、言った
「俺もそう言った。だがこいつがどうしてもと……」
彼はルシフェルに甘い
何せルシフェルはルシファーの理想だ
私たちとは接するときの態度が違うし、友と呼ばれるのも許容している
私がルシファーに友と言ったら殺されてしまうだろう
まず、私にとって彼は創造主であり、友にはなり得ないのだが
ルシフェルが言う
「彼らは私の直属の天司となる。私の補佐官である君との関わりも多いだろう。だから確認の意も込めて意見を聞きにきた」
確かに彼の言うことも一理ある
物事を円滑に進めるためには、そういう手間も必要だろう
私は頷く
「わかった。その資料を見せてくれ」
ルシフェルから四大天司の資料を渡される
そこには事細かに彼らの設計図が記されていた
パラパラと資料を捲り、ザッと目を通す
不審に思う点は特にない
これで造っても問題はないだろう
一通り確認し、ルシフェルに資料を返す
「異論はないよ」
「そうか、なら良かった。仕事の邪魔をしてすまなかった」
「律儀だな、君は。ルシファーも見習ったほうがいい」
「喧しい」
用は本当にそれだけのようで、ルシファーはすぐに踵を返す
ルシフェルも彼の後をついていく
私はひらひらと手を振り、彼らを見送る
もちろん反応は返ってこない
バタン、と扉が閉まる
私は手を下ろし、椅子に深くもたれかかる
「……四大天司ねぇ」
これから天司たちは続々と増えていくのだろう
それぞれの役割を持って、この空のために生み出される
どれほど増えるのかは知らないが、多過ぎると統率が難しくなる
そこらへんはきちんと、彼らも考えているのだろうけど
「……つまらなくなるなぁ」
そんな私の声は、静寂に溶けた
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うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (
レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月14日 13時
