きみのせい、【Mizuki.i】

#12 ページ12

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高橋くんの強行突破によって、今度は井上くん、私、高橋くんの順に並んで座る。




「なんなの、」


「Aちゃんの隣がいいの！」


『へへ、』


「デレデレすんな」




井上くんにじろりと睨まれて、手の甲を抓られる。


デレデレなんてしてないよう、と抓られたところを摩った。


でも高橋くんがかっこいいのは確かだよねえ、惚れ惚れしちゃうぜ！




「Aちゃん新作にしなかったんだ」


『……お財布に1000円しか入ってなかったの』




だから泣く泣くホワイトモカ、これでも十分お財布はダメージを受けているけど。


カップに口を付けようとすると、井上くんにひったくられて。




「これ甘くて飲んでらんないから交換ね、」


『いいの？』


「俺こっちがいい」


『ありがと、』




意外と井上くんが甘党なの知ってるよ？


私が本当は新作の飲みたかったの気付いてたんだなあ、……いやあ、ほんと敵わないや。




「Aちゃんとみずっくんって本当に付き合ってないの？」


『へ？』


「どうだろうね」




どうだろうね、って否定しないの？！


慌てて井上くんの方を見ると、なんてことないような顔をしている。




『付き合ってないよ、そういうんじゃないもん私たち』


「じゃあAちゃんの彼氏に立候補してもいい？」




急展開、


え、高橋くん？




「……俺用事思い出したから帰る」


『待って、井上くん！』




なんで引き止めたのかはわかんないけど、つい井上くんの袖を掴んでいて。


高橋くんにごめんね、と謝って井上くんを追いかけた。




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