白き愚者は蒼穹に嗤う

愚者が二十六人 ページ28

ｰ次の日ｰ

俺達は前回同様、図書室の奥の部屋で話した。

レ「しかし耳か…確かにこれは気づかねぇな。言われりゃあるけど」

レイが自分の耳を触りながら言う

ノ「たしかにある…」

ノーマンも自分の耳を確認する

「そんなすぐ消える痕なんだね」

エ「うん…キャロル以外の子にはなかったから…私、無意識にずっと疑ってこなかった。ごめん…」

エマが申し訳なさそうに言った

ノ「いや、お手柄だよエマ！『場所』や『形』『大きさ』が判った。次に進める！」

「次は壊し方だね！」

エ「…でも、どうする？切開して調べるにしても…」

ノ「バレるよね…」

たとえ髪とかで隠していてもいつもみたいにかき上げられたら即ゲームオーバーだ

「でもさ、エマとノーマン出荷の翌日塀まで行ってたよね？その時俺はママの近くにいたけどママに通知とかは届いていなかったと思う、それに、出荷を見た人が特定できていないとすれば、この前のシスターを迎える準備のときだってわざわざボロの1番出しにくく怪しい年長だけ三日も連続で頼んだのも辻褄があう…長くなったけど、ようは「甘い」んだよ」

エ「甘い…」

「では何故そんな意味のない物を入れているのか」

エ「…発信器が壊れたときに通知をする…とか？」

ﾊﾟﾁﾝｯ

Aは指をならした

「ビンゴ！」

エ「でも、それじゃあ…」

「自信があるんでしょ、発信器さえ機能してれば、どこに行っても絶対に捕まえられる自信がね…ほんと、嫌なヤツらだよ」

レ「壊れたら追えない、壊れなきゃ追える、
じゃあ壊れた時だけすぐ分かるようにしようってことだよ。例えば“アラーム”とかで」

エ「壊したらママに知らせる？」

レ「まぁ“通知"なんてものが実際あればの話だけどな」

ノ「でもママが僕らにわざと発信機の存在を教えた点を考えると…簡単には否定できないかな」

「迂闊に触って壊すのも危ないしね〜、だから、壊すのはあくまで逃げる時だね」

どうやらすぐにどうにかしたかったらしいエマすごく驚いていた

「えぇ！！！！でも、じゃあどうやって壊し方…！！」

「場所が分かってもこれじゃぁ」とエマは嘆いた

レ「それなんだけど、この『形』と『大きさ』
ちょっと思い当たることがあるんだ、この件は俺に任せてくれないか…？」

「…………」

エ「ほんとに!?レイありがとう！」

ノ「でも、発信器をどうにかできたとして逃げるのはどうしよう…」

エ「それについては考えがあるの！」

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