一節 十八部 ページ18
「何もしないから出ておいでー」
(それフラグっ言ぅんだ!!)
未だ息を殺し身を隠すナオ。流石にずっと篭っている訳にもいかず、護身用として銀に輝くナイフを取り出し、ギュッと握る。
カチャリカチャリと、中年男性が歩く度、身につけているであろうアクセサリーの金属音が響く。
(もう近くにいるんだよなぁ……泣)
戦闘になることを諦め、ナオはナイフを両手で握り目を瞑って集中力を高める。
(いつも通り三秒、三秒数えれば……)
ゆっくりと深呼吸をし、三つ数える。
三………二……い「みーつけた」
「っ!!!!!」
ナオは突然の事に目を開くと目の前には逆さに覗き込む中年男性。
(しかも年相応!!!!!)
ナオは一気に前に飛び、中年男性から距離を取り警戒を増させる。
「そんなに警戒しないでよ〜」
「いやぁ警戒もしますよぉだって………おっさん気配なかったし」
「おや」
冷や汗が流れる中、未だ緩くいる中年男性を睨みつける。
「……あんた何者なん」
「ん〜俺はゴンサロっていうおじさんかなぁ」
「いや、名前聞いてるんとちゃう」
「あれ〜?」
思わずツッコンでしまう自分に呆れつつも、気になっていたことを聞いてみた。
「おっさん、どうやって壁壊したん」
「ん〜こうやって」
ゴンサロはナオの質問に、素直に○つの○罪のデ○アンヌがもってるハンマー並にデカい武器を振りかぶっ「まったまったまったぁ!!!!!」
「何ここで再現しようとしてん!?!?!?宝ぶっ壊れるわ!!!!!」
「あ、ごめんねぇ」
___仕切り直し___
「んで、おっさんは……」
「名乗ったのにおっさん呼ばわりしないでよーおじさん悲しい」
「おっさんで十分」
「んー…それで?」
「んんっ…おっさんは何でここにいんの?」
「えっとねぇ、こういう依頼で……」
何となく大丈夫な人であると認識したナオは、未だ警戒しつつも彼に武器を向けることはやめた。
ゴンサロが取り出した紙を受け取り、中を見てみると__
「これ自分らとおなじ…」
依頼内容がナオが受けているものと全て同じだった。
「まるまる同じ?依頼書は複製は禁止だったはず……」
「それは一人でだったらね。違う奴が同じのを作って提出すると意外と承諾されちゃうんだよ。役場の奴は依頼書いちいちちゃんと確認とかしねぇから」
「なるほどねぇ」
「こういうんは二つじゃ終わらん…一体……」
「うーん…」
「……あぁ」
ナオは辺りを見渡して何となく理解する。
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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2018年12月26日 11時