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次の日の朝。
いい匂いが鼻を擽り、目が覚めた。昨日の体調の悪さが嘘のようにスッキリしている。
今日はバイトの後、ユンギくんと花火大会が待っている。
カーテンを開けると柔らかい太陽の日差しが差し込んで、その眩しさに目を細めた。晴れてよかったと安堵した。
顔を洗ってリビングに行くと、すでにユンギくんが朝ごはんを作ってくれていた。部屋に漂う良い香りでなんとなく予想はしていたけれど、まさか本当に作ってくれているなんて…朝が苦手なユンギくんが…と若干驚いて瞬きしていると「おはよう」とやさしい声を掛けられる。
「おはよ〜いいにおい…」
「体調は平気？あ、ヌナはなに飲む？コーヒー？」
「うん、もう大丈夫！わたし紅茶がいいな。そこの棚にあるやつ」
「棚…？ああこれか。そういえば前からこれよく飲んでたよな」
「これを飲まないと、なんだか1日が始まった気がしなくてね〜もうこの紅茶を飲むことが朝のルーティンになってるよ」
「───へえ」
茶葉の入った缶のパッケージを眺めながらユンギくんは「じゃあ俺もたまには紅茶を飲んでみようかな」なんて呟いていた。私の分も一緒に淹れてくれるみたいで、お礼を告げた。
「わああ、こんな美味しそうな朝ごはん、初めてだ…」
テーブルに並べられた朝ごはんに感動していると、淹れたての紅茶を持ったユンギくんが「冷めないうちに食べよう」と椅子に座った。私もユンギくんの向かいの席に腰掛ける。
「「いただきます」」
一緒に食べる朝ごはんは、一人で食べる時よりも断然美味しく感じた。ユンギシェフ最高です…という私に、幼馴染は「それは何よりです」と嬉しそうにはにかんだ。
「Aちゃん、もう体調は大丈夫なの？」
「店長！昨日はすみませんでした…もう大丈夫です！」
「よかった…でも無理はしないでね」
何だったんですかね〜原因不明なんですよ。でも寝たら治りました！なんて他愛無い話をしながら仕事をこなしていく。今日は花火大会があるからお客さんも多いけれど、その分スタッフもイベント用に少し多めに出勤しているから思ったより大変じゃ無いことに安堵した。
今日もユンギくんからのお弁当を美味しくいただいて、午後の残り少しの時間も頑張ろうと臨んだ。
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作者名：みいこ | 作成日時：2022年9月6日 15時
