蝕む愛でよろしければ【YG】 (ページ15)

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花火大会の翌日は、ユンギくんとのんびり家で過ごして1日が終了した。漫画を読んだり映画を観たり、各々のやりたいことをしながらもご飯は一緒に食べたりして、違和感なく私の日常にユンギくんは溶け込んでいた。

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今日は急遽大学の友達に誘われてランチをすることになった。

特に予定もなかったし、きっとユンギくんは家でまったり過ごすだろうから、誘いのメッセージにすぐ了承し支度を始めたところで、ユンギくんがのそのそと起きてきた。

我が家に来て早数日。小さく「…はよ」と呟きながら、頼まなくても私の朝のルーティンの一つである紅茶を淹れてくれる。自分で淹れるより美味しく感じるのは何故だろう。私の分とは別に自分のコーヒーを挽いているユンギくんは、相変わらず寝癖が可愛らしくぴょんと跳ねていた。

「ごくん……紅茶ありがとう、ごちそうさまでした」
「ん。じゃあ気をつけてな」
「はあいパパ。行ってきま〜す」
「誰がパパだ」
「ふへへ、ごめんごめん。いってくるね」
「ったく…いってらっしゃい」

ユンギくんが淹れてくれた紅茶をいただき、軽い足取りで待ち合わせ場所である二駅隣のショッピングモールに向かった。

「──あ〜あ、Aは俺がいないとだめだって早く気付けばいいのになァ」

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「っはぁ、またこれ、かあ…っ、」

楽しい時間もあっという間。
おしゃれなランチを美味しくいただいた後、既視感のある気持ち悪さが私を襲った。友達はタイミングよくお手洗いで出ている。念のために持ってきた頭痛薬を飲むけれど、治る気配がなく、冷や汗が出てくる。なんだか前回までより気持ち悪い……頭がぐわんぐわんと回っているような気がして、お店から少し離れた壁際に蹲ってしまう。

それでもなんとか、意識の端っこにユンギくんとの約束を思い出し、「またきもちわる」とメッセージだけ送った。ごめんユンギくん、ちゃんと送る余裕がなかったや…

「えっちょっとA、大丈夫？！」
「…っふ、きもちわるい」
「わ、あそこのベンチで休もう？ゆっくり歩ける？」
「ん…ありが「ヌナ！！」…？」

あれ、なんか朝に見たような見覚えのある姿の人が近づいてくる…って

「えっ……」
「ねえA、あの人知り合い？」
「いや、その、あの……いま遊びにきてる親戚のひと」

気持ち悪さが吹っ飛びそうな事案です。
何故ショッピングモールに来たミンユンギ

……いややっぱ吹っ飛んでないキモチワルイ…

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