54話 ルール ページ5
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「積極性は大事だ。相手の事を知らないと喧嘩に発展する恐れがある、同じ家に住んでいるのに不仲だと互いに気まずいだろう」
『……』
淡々と何故そのルールを追加したのか説明していく征十郎は、うーん……うーん……と深く考えるAを盗み見て僅かに口角を上げる。
Aは真面目だから、それらしい言葉を並べておけば必ず最後には賛成する。
要はAが納得するような理由を考えてさえしまえば、後は簡単に言いくるめられるという事だ。
『一理、ある……』
「だからスキンシップをとって相手の事を良く知るのは高宮のためでもある訳だ」
『……』
「それに僕が提示するルールはたったこれだけだ。難しい事では無いと思うが?」
毎ページ、枠の中に1つずつ印を押すと今度は征十郎がAに資料を渡す。
そこには新しく枠が書かれていて、Aの印も最後に欲しいと言う。
Aはその枠を見て、最後にもう一度深く考え込むと『確かに……』とつぶやき印を手に取った。
『……あの、分かったけど……ちなみに、スキンシップってどういうの?』
「それは高宮が印を押さない限りは教えられない。今例えばとスキンシップをしようとしても、まだそのルールは適用されていないから出来ない」
『え?……あ、そっか……わかった……』
征十郎に急かされて、ぽんっ、と印を押すA。
その様子を見て、にやりとまた口角を上げる征十郎。
これでもう1度は承諾してしまったのだから、取り消せない。
征十郎がAにどんなスキンシップをしても、Aは文句を言えなくなる。
『……じゃあ、これが今からルールだから。ちゃんと守ってね』
「あぁ」
とりあえず自分が考えたルールは9割征十郎に承諾してもらえてホッと安堵したAは、気になるスキンシップの内容を聞こうと征十郎の方に向き直った。
『それで、スキンシップって……』
「あぁ、後でしようと思うからその時にね」
『……え、後で……?って、どの時……?』
「……」
『……赤司君?』
「まぁ君は大分恥ずかしがるだろうが、あのルールに承諾したのは自分だからね。拒否は出来ないよ」
『え?』
「さて、夜ご飯を作ろうか。料理、教えて欲しいんだっけ?」
意味深な事を言う征十郎に、え?え?と困惑の表情を浮かべるA。
そんなAが、先程のルールに承諾した事を後悔するまで後……。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時