ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

19.水族館へお出かけ ページ20

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帰り道。



征十郎の斜め後ろを歩くAを時折確認しながら。



今日は大きな収穫だったかもしれない、と征十郎は考えていた。



やはりAは生き物が好きなようだった。
特に海の生き物だとシャチが好き。
そして自分の好きな事となると、子供みたいにはしゃいで。
土産屋でふいに見せたあの笑顔の破壊力。
笑えないのかと思っていたが、どうやら違った。



Aは普通に笑えるし、単に愛想笑いや笑ってと言われて笑うのが苦手なだけなのだろう。



……きっと、まだ見ていない表情はたくさんあるはずだ。
さて、これでこのまま家に帰ったらその後はどうしようか。



顎に手を当てて征十郎は思考を巡らせる。
今日の出来事で余計に高宮が欲しくなった。



次の関わるきっかけは……
……多少強引でも、やはり



『……赤司君、じゃあ私はここで』



Aがふと立ち止まる。
今日の待ち合わせ場所だった駅にもう着いてしまったようだ。



征十郎も、立ち止まるとAを見た。
Aが背を向ける。



歩き出す。



「高宮」



征十郎が、Aの腕をつかんだ。
そのまま振り向かせる。



ダンッ！！！



そしてAを近くの壁に追いやって



無理やり唇を奪った。



Aの顔の横に肘をついて、逃げられないようにしてから角度を変えて更に深く口づける。



数秒そうしてから、唇を離した。



「僕と付き合え」



Aは事態が飲み込めないのか驚いた表情で征十郎を見つめる。



『い……ま……キ、ス……』



数秒後、ハッとなったAはドンッ！と征十郎を勢いよく手で押した。
これは少なからず征十郎も予測していたAの行動。
だが



『……何で……男の人の……匂いが……つくっ……』



？
男の人の匂い？
何を言ってるんだ……？
何するのとか最低だとかそういった言葉をかけられるのを百も承知で今キスをしたんだが



訳のわからない返答が返ってきて、征十郎は怪訝な表情を浮かべた。



『怒られる……ッ！』



怒られる？誰に？
まさか彼氏でも居るのか？



『……お、に……ごめ、なさ……』



ダッ



それだけ酷く怯えた表情で最後にAは呟くと、駅の中へ走り去ってしまった。



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