ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

10.バスケ部 ページ11

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次の日、お昼の時間にまたも征十郎に声をかけられたAは分かりやすい程嫌そうな顔をしていた。



『……部活の諸連絡？……分かった』



征十郎の作戦通り嫌そうながらもAは断りはしない。
出しかけたお弁当をまた小さい専用のトートバッグにしまうと、おとなしく彼の後をついてくる。



いつもは毎日違う女の子とお昼を食べている征十郎だが、一週間に一回はバスケ部で集まって屋上で一緒に食べているらしい。



そんな話を興味無さそうに聞きながらAは屋上に上がる。
既に皆揃っていた。



「高宮さんっ！ここここ！」

『……』



Aと征十郎が屋上にやってきたのを確認するとやよいが自分の横の空いている空間を手でぽんぽんと叩きAを誘導する。
逆隣には永吉が座っているようだ。
まあこの２人が隣なら……とAも腰かけた。



お弁当を開けていただきますと静かに手を合わせる。
その所作からして、やはりAには名家特有の教育もされているようだった。
一々全ての動作が洗練されていて綺麗なのだ。



それは征十郎から見ても、珍しいと感じる程。
Aからしたら、意識はしていないと思うが纏う雰囲気には隠し切れないオーラがある。



それをきちんと見抜いているのは征十郎だけだったが。
すると玲央がAのお弁当の中身を見て感嘆の声を上げる。



「あら、Aちゃんのお弁当凄く綺麗じゃない？！彩もバランスが良いし、美味しそう」



その声につられて永吉もAのお弁当を見た。



「おっ、ほんとだな、まあちょっと肉が足りねぇけどな」

「女の子だったら充分よ！」

「肉は良いぞ筋肉になるからな。筋肉はいくらついても困らねぇ」

「それは永ちゃんだけだよ、俺はそんな筋肉バカはお断り〜」

「……お前も筋肉バカに近いけどな」

「黛さん？！今普通に聞こえたんだけど？！」

「当たり前だろ聞こえるように言ったんだから」



少し経ってからわーわーと騒ぎ始める4人。
その隣で征十郎がまたか……というような表情だけして大して気にせず自分の分のお弁当に箸を進める。
いつものバスケ部の光景。
その中でAは、そんな4人を少し見つめていたが、やはり会話には参加してこず静かにお弁当の中身を食べていた。



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