恋愛のススメ〜千賀の場合〜

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私の仕事が終わって、
健永くんに行ってもいい？って聞かれたから一緒に私の部屋へ。






｢なんか、恥ずかしかったね｣


｢ほんとだよー。
ニカちゃんどうにかしてよ(笑)｣


｢ははは。言っとくよ｣






鍵を開けて部屋に上がって。


何飲む？って聞くけど、
さっきまで飲んでたから大丈夫。って言って健永くんは座ってる隣をぽんぽんと叩いて、

｢来て？｣

って言う。






鞄を置いて、隣に座ると
私の両手を包んでいじってる健永くん。





｢…どうかした？｣


｢んーとね、、｣




私を少し上目に見てくる健永くんは
なぜか複雑そうな顔してる。






｢うん？｣





包まれてる手を片方引き抜いて、
健永くんの頭をよしよし、って撫でた。





｢あのね、海外で公演するダンスチームの選抜オーディションを、僕、毎年受けてたの｣


｢そうなんだ｣


｢それでね、今年、初めて受かって｣


｢えっ、すごいじゃん！｣


｢うん、やっと合格できたの｣


｢海外って…すごいよね？おめでとう！｣




包まれてた手を包み返して
健永くんの手をブンブン振ってしまう。




｢ありがとう。めちゃくちゃ嬉しいんだよね｣


｢もう、早く言ってよ。
そしたら下でお祝いできたのに｣


｢ふふふ、ありがと｣






普通に考えて、
健永くんが世界デビュー(？)ってすごいことだよね？



健永くんにはもっとスケールの大きいところで輝くべき人だって思ってたから私もすごく嬉しい。






｢…それでね？多分、稽古期間も含めて1年くらいアメリカに行かなきゃいけないんだよね｣


｢そっかぁ..、そうだよね｣


｢...行ってきても、いいかな？｣


｢もちろん！むしろ絶対に行くべきだよ｣


｢でも、Aちゃんを1人にしちゃうよ？｣


｢私なら大丈夫だよ。
健永くんがしたいようにしなきゃ｣


｢...ほんとに、いいの？｣


｢うん。応援する！｣




そりゃ、
本音を言えば寂しいとか色々あるけどね。


それよりも
私は健永くんの夢を応援したいから。





1年なんて、頑張れば何とかなるよね。



ダンスのことを楽しそうに話す健永くんを思い出すと、重荷になんてなりたくないもん。

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