102 相合い傘 ページ11
食べ終わったお皿二人分を厨房に運ぶ
「ごちそうさまでした。」
とマスターに言いながらお皿を洗う。
再び席へ戻ると後少しで終わりそうな雰囲気
手持ち無沙汰になって
「相葉君、もう分からないところないかな？」
と聞くと
相葉君は気付いたように
「あっ、うん！大丈夫だよ！ごめんね、時間取っちゃって。ありがとう！」
と申訳なさげに眉を下げて笑った。
「じゃあ、私帰るね、マスター、相葉君、お先に失礼します。」
「「お疲れ様！！」」
挨拶をして外へ出るとさっきまで晴れていたはずなのに
雨がポツポツと降り出していた。
「天気予報何にも言ってなかったな……。」
傘を持ってこなかったことに少し後悔しつつ
まだ雨足もそれ程強くもないので駅まで小走りで行こうと踏み出した。
「…………ちゃん！」
「Aちゃん！」
誰かに名前を呼ばれたような気がして振り向く
そこには遠くのほうで黒い傘をブンブン振りながら小走りで走ってくる相葉君
「Aちゃん、結構歩くの速いんだね(笑)」
軽く息をあげた相葉くんが追いついて、そっと私を傘の下に入れてくれた。
「雨が降るなんて知らなくて……、傘持ってなかったから。」
そう端的に相葉くんの言う『歩くのが速い』ことの言い訳をすると
「うん、うん、誰も雨降るって言ってなかったもんね！」
と共感する。
そうは言っても相葉君は傘を持ってるから
「でも傘……？」
と疑問を伝えると
「あぁ、これマスターに借りたの！
だからAちゃん、一緒に帰ろうよ！」
お言葉に甘えて駅まで相葉君と並んで歩く
「マスターに借りちゃったけど、マスターは傘あるのかな？」
私が素朴な疑問を呟くと
「マスターは、元々お客さんのために何本か傘を用意してるから大丈夫。
……あー！そっかー何本かあるならAちゃんと俺の分、２本傘借りれば良かったんだ。
だってマスター『雨降ってきたみたいだけどAちゃん傘持ってないんじゃないか？』って俺に1本しか渡してくれなかったから。」
そう言った相葉君は少し顔を赤らめて
「……なんだよマスター。」
って独り言をいうように呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
