93 太陽のような人 ページ2
「おはよっ！！」
飛びつくように私に駆け寄ってくる
いつもニコニコして元気、誰とでも分け隔てなく接してくれる彼
太陽みたいだ。
「相葉君おはよう。その『Aっち』って何？(笑)」
「AっちはAっちだよ！。かわいいでしょ？」
「う〜ん……どうかな？」
「そういえばAっち、レポートやった？」
「今日提出のやつ？もちろんやったよ。」
「俺途中までやったんだけどさ、昨日バイト遅くなっちゃってさ、Aっち見せて。」
私は専門学校に通い始めた
会計とか経理関係の。
相変わらず記憶の戻らない私には社会に出て働くのに何の武器もないから。
もしかしたら明日記憶が戻るかもしれない
私が『私』になるかもしれない
そう思いながら毎日朝を迎えてきた
ただ流れるものに身をゆだねていれば何もしなくとも時は過ぎる
私が『私』になるまでそうやって漂っているの？
いつまでも待っているだけ？
私は自分で歩いて行かなくちゃいけない。
だから。
相葉君は入学式の日
初めて声をかけてくれた人。
周りのコたちは皆、高校を卒業したばかりで年上の私は年下のコに話しかけづらかった
そんな時
「ねぇねぇ、君って18歳……じゃないよね？」
って話しかけてきた。
──あっ──
こんな場所で私の記憶の中のアイドルだった彼に会うとは思わなかった
女性に初めて話しかけるのに年齢を聞くなんて
なんて失礼な人とも思いつつ
確かに周りより5,6歳も離れていたら浮いて見えるから仕方ないとも考え直し、素直に年上だと認めると
「俺も一回社会人してきてるんだ！年上同士仲良くしようね！」
と
周りのコたちの輪に入っても、年上の違和感がないキラッキラの笑顔で相葉君はそう言うと
それからことある毎に私に話しかけてきた。
それから
人懐っこい彼はクラスのムードメーカーで
よく話し掛けられる私もいつの間にかクラスの皆とも仲良くなっていた。
「おはよう鈴木さん！」
「おはようミチエさん！」
学校の玄関に入り、そこにいた守衛さんや清掃のおばさんに挨拶をする相葉君
それに続いて私も挨拶をする
いつもの教室、いつものクラスメイト
いつものタイムテーブルをこなす
それはただの繰り返しではない
私が
私の選んだ道を歩いているんだ。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
