仕事~49 ページ1
.
『全員そろったな』
夕餉後すぐにAから招集がかかり、全員が大広間に集った。
『今から、この本丸に任された仕事の話をする』
小狐丸「あの書類の内容ですか」
『ああ』
一期が先程までの笑みを消してすっと目を細めた。その側にいた薬研がわずかに身じろぐ。
『簡単に言ってしまえば、護衛だ』
骨喰「護衛…誰の」
『
加州「え、誰それ、藤原？」
加州や和泉守たちは首を傾げた。だが三日月や鶴丸、獅子王や髭切あたりは誰なのかわかっている様子だ。
『大貴族の姫だ。今回は平安時代に行ってもらう』
そう言うと、Aはあらかじめ持ってきていた大きめの巻物を床に広げた。
それを何人かが覗き込む。
大和守「これ、家系図？」
『ああ。皇室と、藤原氏が載っている』
厚「ええと…あった、さっきの彰子姫ってこの人か？」
『そうだ』
石切丸「藤原彰子は確か、一条天皇の
堀川「中宮？」
『皇后のことを中宮とも呼ぶ。つまり一条天皇の妻だ』
乱「あ、ほんとだ！一条天皇と二重線で繋がってる」
乱が系図の線を指でなぞる。同じように目で辿っていた愛染が あれ、と首を傾げた。
愛染「一条天皇って、お嫁さんが二人もいたのか！」
膝丸「あぁ、藤原
獅子王「その時代は妻が複数いても、別におかしくなかったんだよな」
家系図の中央に“一条天皇”、左には中宮“彰子”、右には“藤原定子”。
鯰尾「どうして中宮を護衛するんですか？」
『…政府から、時間遡行軍が藤原道長の政権崩壊を企てているとの情報が入った』
彼らは はっと顔を上げて、Aに視線を注ぐ。
『中宮の父親である藤原道長は、権力を得るために娘を天皇に嫁がせた。その中宮に何かあれば、道長は政治的な地位を失う。直接彼を狙うよりか弱い姫を狙う方が確実ということだろう』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
作者です。
ここは少し歴史の話になります。
なるべく伝わりやすく書くつもりですが、表現力が乏しい部分もたくさんあると思います。
実在する人物を使わせて頂いているため、調べると家系図も出てきます。わからなくなった際は、是非そちらを参考にお願いします。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1450人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葛の葉 | 作成日時：2019年9月15日 1時
