米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２２. ページ24

「すごいすごーい！！」

「駅みんなすっ飛ばしてるぜ！」

「終着駅までほぼノンストップらしいですから…！」


窓から見える景色に喜ぶ3人。身を乗り出さないか見張りつつも、何だかんだで楽しそうな瀬川。彼女は少年探偵団達と一緒に6号車に乗っている。
先程から妙に感じる殺気に警戒心を持ちつつも、折角の遠出を存分に楽しむ事にしたのだ。本調子では無いが……何があっても私が守る。そう意気込みながら


「気になるのは終着駅の他にもう一つのミステリー…この列車の走行中に出される推理クイズだな」

「噂だと乗客の中からランダムで犯人役と被害者役が選ばれ事件が起きて…他の乗客全員が探偵となって、終着駅に着くまでに犯人を割り出すって趣向らしいけど」

『へー…面白そう』


「……新一くん。あれが噂の瀬川さんか？」

「あぁ。まぁな」



周りに聞こえない声量でコナンに話しかける博士。
何度か顔を合わせた事はあるが、一緒に出かけるのは今回が初めて。コナン、灰原のようにどこか大人びた表情を遠目に首を傾げる



「うーむ…確かに不思議じゃが……悪そうな子には見えんのぉ」

「灰原も警戒してないしな。ここ一週間くらい過ごしたけど…怪しい動きも無かった」


せいぜい運動神経が良いって事ぐらいだな。顎に手を添えそう答えるコナン。転入してから特に彼の前では気を遣っていたおかげか、瀬川への疑いは晴れつつあった

──その時、部屋の扉からノックが聞こえる。コナンと阿笠博士が扉を開けてみるも、外に人の気配は無い。代わりに一通の手紙が落ちていた



「"おめでとう、あなたは探偵役に選ばれました！10分後、7号車のＢ室で事件が発生しますので…捜査を開始されたし"」

「ワクワクしちゃうよねー♡」


灰原の説明では乗客全員が探偵だったが……システムが変わったのだろう。手紙の指示通り7号車のＢ室へと移動する少年探偵団に、瀬川も行動を共にする


「この部屋ですね！」

「あのー……失礼しまー…」

「わ、バカ！！入るな！！」


そこには、慌てた様子の男性が。この乗客は毎年この列車に乗車する程のミステリー通、室橋悦人である。

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