米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

１１. ページ13

この町に引っ越してきて、はや一週間。

元々適応能力の高い瀬川は随分ここでの暮らしに慣れてきた。クラスメイトの名前を覚え、学校生活も程よく楽しみ、充実した毎日を送っているそうだ


そんな中で起こった出来事である。






『兎の調子が悪い？』

「うん。元気が無いみたいなの」


今日は小屋に住む兎の世話当番であった。歩美、灰原、そして瀬川で兎達の面倒を見ていたのだが……皿にエサが半分以上残っていたり、掃除している間も飛び回らずどこか一箇所に固まっていたり。不可解な点は幾つもある。あの世話好きな歩美が言うのなら、尚更信憑性が増した


「なんだかずっと震えてて……どうしよう。お医者さんに診てもらった方が良いかな」

「そうね…時に目立った外傷は無い。身体の不調か何らかのストレスが原因かしら。取り敢えず今日はこの子達の好きなおやつを与えてみて、それでもダメだったら先生に相談しましょう」

「うん……」

『……』


心配そうに兎達へ目を向ける2人とは別に、瀬川は小屋の一角を見つめる。何となく察しがついたらしい。


まずは2人を、安全な場所で待機させねば




『……吉田さん、灰原さん。兎達の面倒は私が見ておくから、2人は先生に頼まれた買い出しに行っておいで』

「え？でもそれってお掃除が終わってからじゃ…」

『好物のおやつ、あげるんでしょ？この子達が食べたそうなもの買ってきて欲しいな』


兎達の藁やエサのストックが無くなってきており、丁度小林先生から頼まれていた事を思い出した。流石に子どもだけでは持ちきれないだろうと阿笠博士という人物が車を出してくれるらしい

だったら私が残るわ、と灰原が提案したが……彼女を1人にさせる訳にはいかないと思ったそうな。彼女もまた、時折何かに怯えた表情をしている。皆で行動した方が安全だろうと。


『ちゃんと領収書も忘れずにね。焦らなくて大丈夫だから』

「う、うん。でも…ホントにいいの？」

『うん！気をつけていっておいで…

それと……なるべく"ゆっくり"ね』



この言葉が含みを持たせているように聞こえたが、特に気にしなかった。数十分後に黄色のビートルがやってくる。歩美と灰原がその車に乗り込むのを正門で見送った

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