みえないモノをみる。 【文スト】

綾辻探偵事務所にて＿＿参 ページ8

「代行者……！」



何か深月ちゃんがめっちゃ食いついてきたんだけど。あー何そういうの好き系か。

私は取り敢えずお兄ちゃんの脇腹に肘鉄をぶち込むが無論ガードされた。無駄に強ぇんだよ此奴！



「凛、止めろ」

『いやあんたが止めろ』



確実に私悪くない。いや悪くない。

だがお兄ちゃんと接してきた経験上、私は潔くお兄ちゃんの膝の上から降りるのを諦めた。駄目だこりゃ。



『……あー、私の仕事の話だったよなぁ？』

「はッ、はい！」

『まぁエージェントっつっても、そのまんまなんだけどよ。誰かから依頼を受けて、それを受理。そしたら依頼の内容を実行する。

まぁ平たく云やぁそんな感じ』



結構ざっくりと説明した。若干口が悪くなっているのは許して欲しい。……と云うか此方が私の素だからさ！ ね!?



「例えばどんな依頼を!?」

『おうふ、深月ちゃん本当に食いつき凄ぇな……。大体の依頼は、特務課から来るからなぁ』


「……済みません何て云いました？」



深月ちゃんは私に訊いた。つか訊かれるの多過ぎなんだけど。何皆難聴にでもなった？



『大体の依頼は特務課から来るから』

「特務課……異能特務課からですか!? 私が所属してる!?」

「辻村君、少し黙れ。猫が怯えている」



お兄ちゃんの冷静な指摘に、深月ちゃんはうっ、と肩を竦めた。いや多分お兄ちゃんが煩く感じただけだと思う……。



『そーそー、その特務課。だって特務課の一員か、特務課の知り合いでもなきゃ此処簡単に入れないだろ？ 狙撃手さん達にも軽く挨拶しといたし』



最早完全に男口調になってしまった。子供の時からの癖なんだよコレ！



「あ、確かに……」

『……ちょっと待って深月ちゃん、本当に気づいてなかったの？ それかなりヤベェよ？』



呆れかえる私に、深月ちゃんはしょぼん、と肩を落とした。

アレ何か凄い罪悪感が。



『イヤイヤイヤ、そんな気落ちするなよ！ 大丈夫、此れから頑張れば何とかなる！ な!?』

「うっ……凛さん……！」

「おい、茶番は他所でやれ」

『お兄ちゃん黙って』



私がそう云うと、何故か顔を押さえ上を仰ぐお兄ちゃん。え、大丈夫？ 本格的に頭可笑しくなった？

と私がお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃんはボソリと呟いた。



「ああ、凛がクソ野郎じゃなく本当に俺の妹だったら……こんな生意気な口、二度と聞けなくしてやるんだがな……」



済みません如何考えても変態です本当にありがとう御座いました。

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