みえないモノをみる。 【文スト】

綾辻探偵事務所にて＿＿弐 ページ7

ゴホン、と空咳をする辻村さん。



「＿＿と云うかそもそも、お二人は如何云う関係なんです？」

「兄妹だ」

『違います』



クッソマジでこの人変わんねェェェェ！！

三年ぐらい経ったから！ちょっとは変わってると思ったのに！変わんねェ！



『友人、と云う処でしょうか。幼馴染と云うには年齢も住む場所も離れていたので』

「あれ、確か綾辻先生二十七ですよね。失礼ですが年齢は……？」

『二十二です』

「嘘……でしょ……！」



何故か驚愕の表情を浮かべる辻村さん。



『あの、何か……？』

「ちょっと綾辻先生！凛さんを見習って下さい！凄いしっかりしてるじゃないですか！綾辻先生もこれぐらいしっかりして下さい！」



マジそれな、と云うのをギリギリ堪えた。good job、私。



「……ええと、改めて紹介すると私、辻村深月です。敬語はいらないので！」

『あマジで？いやーありがと深月ちゃん！敬語ってさ、ホント面倒なんだよねー！私敬語使う奴ほぼいねーし！アレ、と云うか居るっけ……？』

「……え、」



何故かポカンとする深月ちゃん。んーどした？



「辻村君、改めて紹介する。俺の妹のような存在、凛だ」

『お兄ちゃん呼びはもう癖になっちゃったので、私この呼び方だからなー！慣れろよー！』

「…………アッハイ」



深月ちゃんは何故か悟った目をしていた。










「……あの綾辻先生、其れ止めてあげたら如何です？」

『マジそれな』

「すまん、無理だ」

『と云いつつすまんとか欠片も思ってない癖によく云うわ〜……』

「何故判った……!?」

『もうやだホントに』


私はお兄ちゃんの膝の上で紅茶を啜った。勿論砂糖はたくさん入っている。

いやさぁ……別にお兄ちゃんの膝の上に乗りたくないって訳じゃないんだが。でもさ、もう私も二十歳超えてんだよ。

何 こ の 羞 恥 プ レ イ 。



「……えー……。あっ、じゃあ凛さんは一体どんな仕事を為されてるんです？」

『ニート☆』

「……」

『嘘だよ深月ちゃん。違う、ちゃんと仕事してるから。職業とかじゃないけど』

「やっぱりニートなんですか……!?」

『ねぇ人の話聞いてッ!?』



私は別に職業に就いている訳じゃない。会社員とかね。何つうかさあ、あー……。



「凛はそうだな……宛ら、辻村君の大好きな代行者(エージェント)だろう」

『おッ、nice play.』

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