みえないモノをみる。 【文スト】

白虎と相対＿＿弐 ページ14

独歩の怒りが収まるまで喫茶店で珈琲(コーヒー)でも飲んでよう。そうしよう。

私は階下の喫茶店に入った。



『すみません、珈琲(コーヒー)お願いします』

「かしこまりました」



壮年の男性の手元で、コポポと音が鳴る。受け取ってスツールに座った。砂糖を何個か入れる。



『はぁ……めっちゃいい匂い……』

「ホントだな、ちょっと俺にもくれよ。つうか砂糖入れ過ぎじゃね？」

『莫迦、これがいいん＿＿＿＿え、……え？』

「爺さん、俺にも同じの一つ！」



何時の間にか私の隣に座っていたのは、銀色の髪をした短髪の男だった。一見するとチャラそうな雰囲気だが、外見はかなり整っている。白いシャツに黒いパーカーを羽織っていた。

私の動悸が速くなる。そんな、おい、何で。



「よお、久し振りだな凛ちゃん。元気にしてるかい？」

『ッ……！』



今すぐ逃げ出そうになってしまう脚を抑えた。落ち着け、そうだ、落ち着け。



『……お前に教える義理なんかねーよ、白秋(はくしゅう)』

「おっと、こいつぁ手厳しいなあ。まあ元気なら善かったぜ、あの人に安心して報告出来らぁ」



はっは、と笑う白秋＿＿北原白秋。年齢は二十五で、関係は＿＿何かと因縁深い相手だ。



『何の、用だ？』

「用？ 凛ちゃんと旧交を温めに来た、って選択肢は無いのかい？」

『彼奴がお前程の奴を放っておく訳無いだろう』

「一応褒め言葉として受け取っておくぜ。＿＿おっ、ありがとな爺さん。いい腕だ」

「恐縮です」



白秋は髪をかき上げる。それすらも絵になるのだから、イケメンはなんて得なのだろう。



「つってもよ、本当に今回はそれだけだぜ？ あ、皆からの伝言もあるから聞くか？」

『聞かない』

「康成は〈ストレスを溜め込まないようにしましょう〉、ろふっちは〈頼む此奴にいい耳鼻科を紹介してやってくれ〉、ナオは〈戻って来られるの楽しみにしてますね！〉」

『OK、お前の耳が使い物にならない事はよく判ったぜそして仕方ないから耳鼻科を紹介してやる、はい此処な』

「後さぁ、最近ろふっちの俺に対する扱いが酷くなってるんだよ……何でだろうな」

『なぁ聞いてる？ ねぇ御免聞いてる？』



マジ屑だな此奴あーもう！


＿＿＿＿＿＿＿＿

オリキャラ登場です。北原白秋さんからお借りしました。全国の北原さんファン御免なさい。

そして名前が三人程出て来ましたが、皆さん判ったでしょうか……!?

白虎と相対＿＿参→←白虎と相対＿＿壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す