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「あ〜またふたりで一緒にいるっ〜！仲がいいわね！付き合えばいいのに〜」
ナラさんがやってきた
まるで獲物を見つけた様な目つきで私たちに絡んできた
「ナラさん！」
カフェのバイト君は明らかに慌てていた
そんな態度はつけ込まれるよ？
「赤くなって〜怪しぃ〜いっ！Aさんはどうなの？」
ほらね！そんな赤くはなってないけど？
『どうって言われても‥‥』
「あ〜まんざらでもないでしょ？」
ううーん
この場合どう答えればこれ以上ナラさんの攻撃を受けずに済むだろう？
バイト君との関係も壊したくないし
かといってこれ以上色々言われるのも...
う〜ん
「すぐ答えられないAさんもあーやーしぃ〜！」
まずい ひじょーにまずい・・・
頭の中で小さな脳をフル回転させて
シュミレーションしてみるも
何を言っても揚げ足を取られそうで
うまく言葉が出なかった
蛇に睨まれた蛙とはこのことだ
「はい！みんな仕事,仕事！！」
パンパンと手を叩きながらセンター長がこっちへ向かって歩いてくる
『すみません！！すぐ戻ります』
「Aさんは 500円徴収！」
『えっ〜？』
「ナラさん！」
「はい」
「同僚とは仲良く！」
「はい...」
「仕事に戻って！以上！！」
「はい」
ナラさんは仕事に戻っていく
バイト君は逃げ足が速く、もう居なかった(笑)
残されたのは私ひとり...やばいな〜
『えっと...あ！ブラッシング！！』
用事を思い出したフリで逃げちゃえ！！
移動しようとすると
センター長は私の前に仁王立ちして腕組みした手から
左手を前に出した
『え？』
「５００円！」
『でもおしゃべりしてたから...』
「君はどっちかって言うと被害者。謝る必要はない」
『あ...すみません』
「あ〜１０００円になった！はい」
センター長は左の手のひらをさらに差し出してくる
厳しい取り立て屋だこと！！
しぶしぶ財布からお金を出し
センター長の手のひらに載せる
つっっめたっ！！
少しだけ触れたセンター長の手がすごく冷たかった
もう夏だよ？冷え性？
「いい眼鏡が買えそうだー」
センター長はにやりとしながらお金を貯金箱に入れた
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作者名：miel | 作成日時：2021年11月26日 9時
