九尾狐がブラック本丸に行きました (ページ15)

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14話ページ15

月明かりが夜の縁側を照らす
その下で男女2人が酒を飲んでいた
「本当にもう無理をするなよ…霊力に紛れさせて神気で本丸を再生させるとか…」
「ごめんなさい…」
ハルに言われしゅんとする雪姫
グイッと盃に残っていた日本酒を一気に飲み込む
「そんなに飲んだら酔いつぶれますよ」
「大丈夫、いくら飲んでも俺は酔わねーから」
キラキラと盃に描かれた金の三日月と桜が光る
「サクラ様…見つかるかな…」
ぼぉっと桜の絵を見ながら呟く
するとわしゃわしゃと大きな手で頭を撫でられた
「大丈夫、絶対見つけるから」
真剣な眼差しでハルは言う
こうして本丸で暮らしていけばいつか見つかるかな…
「おや？晩酌かな？」
後からスタスタと男らしい2人分の足音が聞こえてきた
「三日月宗近に一期一振か…お前らも飲むかい？」
短刀達を寝かしつけた後の2人を誘うハル
「そうですね、ハルさんのことも知りたいですし少し飲みましょうか」
柔らな笑みで盃を、受け取る一期と三日月
4人が縁側で仲良く呑んでいる所を影から見るものがいるとも知らず……

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「よしっ！体調も良くなったしまだ隠れてる刀剣男士探さなきゃ！」
昨日、ハル様が絶対サクラ様を見つけてくれると言った、だから私も今出来ることをしなければ！
そう決心しながら本丸を歩く
「おや、主殿、体調は大丈夫なのか？」
「うん！ハル様が神気を分けてくれたから、調子がいいんだ！」
明るい笑顔を見せる雪姫に三日月は少し気を緩めた
前まではいつ倒れるか分からずずっと気を張っていたからな
「大将！これやるよ！」
「？これは？」
薬研から貰ったのは小さな小瓶
透明な液体が入っている
「元気になる、作ってみたんだ！」
「そっか、ありがとう、飲んでみるね」
小瓶の蓋を開けて少し飲んでみる

PON！

「あなや…」
「まじか…」
雪姫は間の抜けた音共に煙に包まれ
煙が晴れたそこに居たのは

「お兄さん達…誰…」

涙ぐみながらこちらを見る小さな子供だった…