55.ハンター試験の幸運 ページ10
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その後、どこを探しても彼の姿を見つけることはできなかった。
代わりに見つけたのは、槍のおじさんの死体と、それに群がる紅い蝶、そして何故か伐られていた樹くらい。
どうやらこの辺でもう一悶着あったようだ。
しかし……どうしようか。
まんまとギタラクルさんに逃げられてしまった今、私がこの試験に通るには一点分のプレートを三枚集めるしかないだろう。
見かけた受験者を片っ端から襲うしかないんだろうか？
切り株に腰掛け頭を捻る。
私は腐っても念能力者だ、今までの試験を通ってきた実力者達が相手とはいえそんな簡単にはやられない。
でも上手く無力化できてプレートを奪えるかというと話は別だ。
害意を持って念を使うと下手したら相手死んじゃうし……絶を使って近づいて、手刀かなんかで気絶させるか。
うーん、でももし相手に攻撃されたらと思うとゾッとする。
まだ堅使えないし、毒物や刃物を使われたら怖いなー……
「あいてっ」
……突然、何かが頭に降ってきた。
結構痛かったぞなんだ今の……
頭に直撃した勢いで、かなり遠くに跳ねてしまったそれを仕方なく拾う。
見覚えのある丸い形。安っぽい安全ピン。
え、これって。
「プレート……？」
刻まれているのは197の文字。
私のものと同じフォントだし、確かに本物のナンバープレートのようだ。
ラッキーではあるけれど、いったい誰がこれを……
……そんなこと考えても仕方ないか。
ありがたく貰うことにしよう。
がさごそと鞄をまさぐり、自分のプレートも入れている内ポケットに収納しようとする――
「ちょっとまった。そのプレート、197番だよな？」
「っ!?」
後ろから聞こえてきた声に、ばっと振り返ると、そこにいたのは二次試験で見たハゲの人。
……周りには警戒していたはずなのに、全然気付けなかった。
どこからどう見ても完璧な絶。
慌てて距離を取り、鞄を閉じる。
「おいおい、そんなに警戒しないでくれよ。で、それ197番だよな？」
「……そ、そうですけど」
跳ねあがった心拍数をおさえつつ、言葉に答える。
彼の狙うものはまず間違いなく197番のプレート。
私から奪うつもりなのだろうけれど……その場合、応戦するべきなんだろうか？
絶を使えていたから彼もまた念能力者である可能性も十分にあるが、その他の技は全く使っていないあたりそうではないかもしれない。
念は時々念と知らずに習得してしまう人がいると聞いたことがあるし。
念の為纏をまとい、警戒を強めた。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
