47.ハンター試験の長い昼 ページ2
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「たぁっ」
「とりゃ！」
ゴン君の調子はすぐに回復した。
私はと言うと特訓する彼の近くで洗濯ものをしているだけだ。
釣り竿の風を切る音、ゴン君の声、そしてじゃぶじゃぶと泡立つ水の音。
なんとも緊迫感のないサバイバルだなぁ。喜ぶべきことなんだろうけど。
今のところ、誰も襲ってこないし気配もちょっとちらちらしてるのが一つあっただけだ。
余りにも長い間いるから、昨晩仕方なく錬を使って追い払ったけど……念の存在を知らずにあそこまで気配消せるのは正直凄いと思った。
助けてもらってばっかりだった私が偉そうに言えることではないと思うけれど、ここまで生き延びてきただけのことはあるというかなんというか……
多分ゴン君が先に寝なかったら気付けなかっただろう。
あぁ、こんな時に『円』が使えたらなぁ……
あ。
しまった、今自分が洗濯中だってことすっぽり頭から抜け落ちてた。
思考に集中が偏っている間ずっとごしごししていたようで、ベストの裏地の一部は無残な状態になっている。
これ結構気に入ってたのに……
裏地だって言うのがまだ救いかな……ごめんよ繊維……
落胆する私とは裏腹に、ゴン君は集中を途切れさせることはなかった。
他のものと一緒にベストを干して、再び彼の修行風景を眺める。
ゴン君は釣り竿を投げ続けるが、鳥はいつもあと少しのところで避けてしまっていた。
ただでさえ縦横無尽に動き回っている上に野生動物特有の反射能力をフル活用されたらそりゃ難しいよなぁ……
「……だめだ……！」
数時間後、彼はついに音を上げてしまった。
あれだけやって進展がないんだから無理もない。私なら30分で挫折してるね。
「やっぱり無理なのかなぁ、自由に動き回る鳥をピンポイントで捕らえるなんて」
「ゴン君でも難しいかー……あ、水分補給はしっかりね」
残念そうな声を上げながら、地面に座り込んでしまう。
私も隣に座ってペットボトルいっぱいの水を渡した。
「うん、ありがと。……はぁ、せめて相手の動きが読めればな――なーんて無理な話か」
「うーん……鳥の動き……鳥の気持ち……あ」
私たちの目の前で、一羽の鳥が魚を捕らえた。
無駄な動きを一切せず、一瞬の内に獲り、すぐに飛び去ってしまう。
とても綺麗だった。
私が一連の動きを脳内で反芻している間。
ゴン君は何かに気付いたようだった。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
