【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ43)

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４２話ページ43

「其れじゃ、アタシはアンタの分持ってまた此処に戻ってくるから、其れ迄ちょいと待っててくれ。お小夜は…病み上がりでガッツリ食わせる訳にも行かないし、お粥でもなンでも作るから安心しな」

「有り難うございます」

正座の状態から立ち上がっては障子戸をカラリと開けた。宗三と少しの会話を交えた後に厨へと足を運んだ。

柔らかな日差しが廊下に差し込む。少し吹き込んでくる風は少し涼しめだったから、ちょうど暑くもなく、寒くもない丁度いい気候が保たれている。チラリと見える池の近くの大きな桜の木はまだ緑色の葉を揺らしている。

そうさねェ……春になったら、桜の下でお花見なンてのも悪くないねェ？
私の意見に同じる様に、葉が音を立てて風に揺れた。

「一期、昼食の用意は出来てるかい？先に一個、作って欲しいンだ。宗三にアタシが持っていくから。お盆に載っけておいてくれ」

「はッ。…では、今から先に盛りつけますので、出来たら呼びます。其れ迄は…広間で食事の準備をしている包丁達の方を見ていって下さいますか？些か不安なので…」

ひょい、と顔を覗かせれば厨に立っているのは一期だった。
立て付けが悪いから、と日本号が蹴り倒した厨の扉も、いつの間にか新しくなっていてスムーズに開く。

ふわりと料理の良い香りに包まれる中、鍋等に入っている料理が目に入れば思わず出来栄えの良さに思わず一瞬止まってしまう程だった。

「あぁ、わかッた。後…先刻酒が買ってあったと思うンだが…あれ、一本なら今の時間帯に皆んなで飲ンじまってくれて構わないよ。頑張ってくれてるしねェ」

そう言い残して厨を出る。すぐ近くにある広間の障子戸を開ければ、博多や包丁、後藤……と、明石が膳を整えているのが見えた

「珍しいねェ？明石が働いてるなンて」

「よう見てください。働いてるンとちゃいます、働かされてるンや。主はんからも言ってやってください、あの人寝てしまってますわ」

私が思わず漏らした一言に反応した明石は、首を横に振った。どうやら誰かからの圧が掛かっているらしい。大方一期の予想。
確かに、明石は来派の保護者、面倒見は良いからねェ……弟達を任せても、まぁ大丈夫だと思ったンだろう。

そして明石の指さした方向に目を向ければ丁度日が差す場所で軽くうたた寝をする日本号の姿。
はァ……全く

「日本号、この昼食、先刻買ったお酒一本開けて良いッて一期に言ってあるから。今までのご褒美だよ」
「！？」

秒で起きた