【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ40)

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３９話ページ40

「…ッ、何を根拠に？」
「刀剣男士は付喪神、神は神とて、アンタ達は痛覚は健在だ。そこまで大怪我しておきながら、動くのにも激痛が走るだろうに。アタシに勢いよく抱きついてきた、その他諸々からそうじゃないか、とね」

刀剣男士のそう言う状態に関しては、アタシも初めて見た。まだ確証はないが、声が震えている亀甲の様子からしてそうなのだろう。

…そんな事が、あり得るンだな…今度からそれも視野に入れておこう

「流石だね。その通りだよ、僕は今痛みが分からない。無痛症、ッて言うんだったかな？前の御主人様が僕にはたらいたのは私利私欲のただの痛み。それしか覚えなくていつの間にか痛みが、分からなくなってしまったんだ。
…じゃあ、新しく、愛のある痛みだったら僕は…それを感じ取れるかも知れないとおもったンだ、だから」

「アタシは！…アタシは、アンタに痛みを奮うつもりは無いよ。アンタが望んだとしても、アタシにはその趣味は無いからねェ？…それに、お互いが楽しくやれるならいいが、一方が楽しく無いのなら、それは、そこには“愛”なんか無い」

此方を再度見つめ直し、何か求めるような、縋る様な視線から逃げる様にアタシはそう言った。
そうするしか無かった。

だッて、アタシがもし半端な事をして亀甲を同じ目に合わせたら？
それこそ、前任と同じになってしまう。それだけは嫌だし、亀甲にもう一度辛い思いをさせたくは無かった。

口を噤んで、ぎゅ、とズボンの裾を握り俯いた亀甲。それを見て私は少し心が痛んだ

相手に何かを求める時、こうして否定し、突き放されるのが一番辛いとアタシだってわかっているンだがねェ……今回、ばかりはお互いの為だ。

亀甲をもう一度絶望の縁に追い詰めない為
アタシがアタシのままでいる為

もしかしたら、そんな事を言っておいて、全部己の保身を図る為、全部自分だけの為なのかも知れないが。

「取り敢えず、あと少し待ってくれるかい？もう少し霊力が戻って、アンタを手入れしてから、もう一度考え直しな。此処の審神者は既にアタシだ。アンタの言う御主人様、ではあるが、痛みを与える事は、……あまり、」

「っは、分かったよ！痛みじゃなくていい、僕をそれはもう下僕の様に扱ってはくれないかい！？仕事を押し付け、挙句に、ミスした場合はこれでもかというほど叱りつける…それも悪くは無いね」

何がわかったンだコイツは

思わずクラリと眩暈がした。