【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ24)

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２３話ページ24

「…わ、私でございますか？」
「おい、俺じゃあねェのかい……御役御免か？」

目を丸くしてアタシを見つめる一期の横からどこか拗ねたような、怒ったような表情の日本号が声を上げた

「いや、御役御免とかそうじゃ無いさ。さっきも言った通り、これは関係のある刀剣が神力を流したほうがいい。それにアンタ、アタシが倒れてたせいもあるが…働きすぎてる。
アタシとアンタは殆ど存在が似通ってきてるんだ、アンタの身体の疲労具合なんて手にとるように分かるさね
そこから神力搾ろうなんてアタシは鬼じゃあない。わかったら大人しくしてな」

少し呆れたようにそういえば日本号はムス、としてアタシに背を向け外を眺め始める
ホンット………いつもは大人っぽいのにこう言う所だけは子供っぽいんだからねェ……

頭を抱えるとクスクス、と博多や小烏丸が小さく笑っていた
「はぁ……ったく、で。一期。アンタはアタシに微量の神力を貸してくれるかい？」

改めて姿勢を正してはまっすぐ一期を見つめる。
一期の隣に座っている包丁は心配そうにチラチラと兄の方を見ていた。かく言う一期は顔を俯けさせてぎゅ、と手を握りしめて考えている

そりゃあ、そうだ。あまり信用していない、憎き審神者に神力を預けるだなんて、ねェ……
でも、知っている。
一期は何より

「後藤の為です。私の弟の為、審神者殿に…『主』に、私の神力をお分けいたしましょう」

弟の想いだと言うことを

ブワ、と風が一瞬強く吹いては部屋の中が温かな気力で満ちる。
はらりはらりと桜が舞い散っていく。それはまさに、いま一期が軽く出した神力と、アタシの少し溢れ出ている霊力が共鳴した証拠

一期がアタシを自身の審神者だと、主だと、認めた証拠だった。

「これから、改めて兄弟共々よろしくお願い致しまする。主」
「…あぁ、こちらこそ。よろしく頼むよ、一期一振」

軽く握手を交わしてはまだ止まらぬタイマーにチラリと目をやってはあと10分だった
こいつは……ちょいと、急ぐかねェ…

「ほんじゃぁ…早速やっていこうと思う。一期はまずこの半紙と墨に神力を混ぜてくれるかい？
ちょいと神力を注いでくれるだけでいいさ。
書くのは審神者であるアタシじゃなきゃ成功しないから。そこまででいい。」

「はっ、かしこまりました」

す、と一期の前に半紙と墨を置く。一期は小さく礼をした後にそれぞれを手に持って神力を流し始めていた
時間は3分も有れば十分だろうねェ

さ、いよいよ後藤神降しの大詰めだ