１５話 ページ16
「ッ…分かった。今まで我慢してた分、思いっきり甘やかしてやるさね。主として命ずる、博多、死ぬんじゃあ無いよ！」
「まかせとき！」
一時の柔らかい空間も明石の攻撃によってかき消される。
再び辺りは刀を振る音、刀がぶつかる音が響き渡りはじめた。
一刻も早く止めたくて、早く抱きしめたくて…縄を解こうと身を捩らせても縄はキツく縛られていてどうしようも無かった
「ッ…クソ…解けない…そうだ、備前長船兼光ッ！」
解けないなら、切ればいいンじゃないか…！
いつも帯刀している愛刀に視線を向ければいつも腰につけている刀がなかった。どこだ、と辺りを見渡すと部屋の隅の方に置かれていて、取れそうにも無い…ッ
「油断大敵や…！」
「んぐ…ッ……いたかろが…！」
「博多ッ！」
突如聞こえた苦しそうな声にハッとしそちらを向けば服のあちこちが破け、血を流しながら刀を構えて戦う博多の姿。
明石も多少傷は負っているものの、博多の方が負傷してる…非常に、まずいねェ…！
「ッ…お、れは！大丈夫ばい！絶対、死なんと！」
「はッ、素晴らしい忠誠心？みたいなもんやなぁ？はよ、そこどかんと、ほんまに死んでまうで？」
ッ…ダメだダメだダメだ！！
助けろ、全員。博多は絶対に折らせるわけにはいかない。かと言ってアタシは動けない…頼む、来い。
来てくれ…！
「来てくれ……！日本号！！」
一気に霊力を放出しては全身全霊で日本号を叫んだ。
気付け、アタシはココにいる。助けてくれ、日本号…アタシの大好きな、大好きな…近侍…！
「……ったく、アンタは俺を呼ぶのが毎回毎回遅いんだよ。
次からはもっと早く俺を呼ぶ事だ、ま、今回は目を瞑ってやるよ…！」
ザンッと音がしては前のめりになっていた体が縄の支えをなくして一気に畳に倒れ込む。
聞こえてきたのはずっと一緒にいるあの、日本号の声だった。
先ほどの音はアタシの縄を切った音らしい、日本号は私の手首についていた縄の後を見ては苦しそうに顔をしかめるも申し訳ないが今はそれにかまっている時間はない。
急いで立ち上がっては博多と明石の間に割って入って……
「えろう、すんまへんなぁ…なッ！？」
「ぇ…A…ど、うしてばい…？」
正面から博多を抱きしめた。
それはつまり明石の攻撃を背中にモロに受けるわけで
酷い痛みに顔を歪めた
口からゲボっ、と血を吐くも、約束を破るわけにはいかない。
「博多…もう、大丈夫。ありがとう、よく頑張ったねェ…！」
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ガーベラ - はじめまして！課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月28日 20時) (
レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2020年7月12日 17時
