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40話 ページ41

「はい、じゃあお疲れ様でした。みんなね、ゆっくり休んで、また学業に励んでください」


メガホンで拡張された学年主任の挨拶が終わり、私たちの修学旅行が本当に終わった


横にいるまことちゃんに「楽しかったねぇ」と笑いかけ、それを見ていたうららも「んね!!」と会話に参加した

先生たちが真剣そうに今日の朝話していた空き缶の件は思っていたよりも大事だったようで
挨拶が終わった後も先生たちは何やら端っこでミーティングのようなものをしている


秀徳って頭いいと思ってたのになあ

きっと他人事じゃないけれど
なんとなく他人事なつもりで話を右耳から左耳に流して

私は鞄を持ち上げながら立ち上がった


「Aどっから帰るの?」

「…あー、一旦△△まで出るんだよね」

私がカバンをいじりながら下を向いてそう呟くと、うららの返事がなかなか帰って来ず

私が何かあったのかと気になって顔を上げると、彼女は私の後ろを見ながら少し固まっていた

どうしたの、と声をあげようとしたところで後ろから「高尾」という声が聞こえて


私もつられて驚き、思わず目を見開いた



「あー、えっと、…何?」

私の後ろに立っていたのはみんなご存知菅原で


私が少し疑問を抱いた顔をしたところで彼の「最寄り駅まで送るよ」と優しい声が私の脳内にダイレクトに響いた


それを見ていたうららは、思わず「えっ!」と声を漏らしながらニヤニヤしていて

その反応がまた私の心臓を絞った



「…えと、うん、ありがとう」


少し考えて断る理由がないことに気がついた私は、そのまま彼に甘えることにした




…というのは嘘で



この前菅原のことを好きになれたら楽なのに、とそんな不真面目な理由で彼を利用した

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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時

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