夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ10)

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お魚ハンバーグページ10

和「えぇ、今日はハンバーグなんです。」
智「なんでー…おいら、お魚さんが良いのにぃ。」
和「当たり前ですよ。寒空の下、マラソン頑張ったんですから。」
智「おいらも、寒空の下、頑張ったよ！」
和「…何を？」
智「ポチのお家の掃除。」

ポチとは、智が飼育している魚。
パン屋にはそぐわないので、自宅玄関に水槽を置いている。

和「それは当たり前ですよ。ちゃんと、責任持って飼ってください。」
智「和だって、マラソンは当たり前じゃないかー。」

そんな会話をしている長男と四男を、キッチンから見ている次男と五男。

翔「…あれ、27歳と17歳の会話か？」
潤「まぁ17歳のは、許容範囲だとしても、27歳はねぇ…。」

玄関から「ただいまー！！」と元気な声が聞こえる。
少しして、リビングに雅紀が現れた。

雅「お腹空いたー！！潤ちゃん、夕飯なぁに？」
和「ハンバーグです。」
智「お魚だよ！」

ソファーから聞こえた２つの答えに、雅紀がきょとんと首を傾げる。

雅「ん？お魚味のハンバーグ？」
翔「はは。いや？普通のハンバーグだよ。雅紀、手洗いしといで。」

はーい、とバタバタ駆けて行く姿を見て、翔は安堵したように小さな溜め息をついた。

その晩、智の前に置かれたハンバーグは、魚の形をしていたそうな…。

智「お魚！潤ちゃん！愛してるよ！」
潤「はいはい、抱きつかなくていいから、ちゃっちゃと食べろ！」