夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ9)

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日課ページ9

高校の制服を着た男の子２人が、買い物カゴを持ち、並んでお買い得商品を手にする姿は、周囲の目を惹く。
そんなことには慣れっこな２人は、さっさと買い物を済ませ、自転車に乗った。

後は家へ向かうだけだが、途中にある店の前で止まる。
店の窓を覗けば、カウンターに雅紀の姿が見えた。
ここは、雅紀がアルバイトをしているカフェ。
５人の従兄が経営していて、カフェの専門学校に通っている雅紀は、実習も兼ねたバイトをさせてもらっていた。

バスケで汗を流している雅紀は、とてもかっこよかった。
でも、今こうしてカフェのカウンターでコーヒーを入れている雅紀も、弟達にはとてもかっこよく見える。

２人に気が付いた雅紀は、笑った。
その瞬間は、いつもの兄に見える。
２人は、雅紀に小さく手を振り、自宅へと自転車を漕いだ。

和潤「ただいまぁ。」
翔「お帰り。」

翔は玄関に出て行くと、スーパーのレジ袋を弟たちから受け取り、キッチンに向かう。

潤「翔兄。」
翔「ん？どした？」

袋の中身を冷蔵庫に入れている翔に、潤が問いかけた。

潤「まー、今朝調子悪かったの？」
翔「あぁ、ちょっとな。熱が少しぶり返したみたいで。」
和「でも、兄ちゃんのとこでバイトしてましたよ？」
翔「兄ちゃんには、先に言ってあるんだ。無理してそうなら、速攻帰らせろって。」

兄弟が『兄ちゃん』と呼ぶのは、従兄の松岡昌宏のこと。
以前から近所でカフェを営んでおり、雅紀のバイトを快諾してくれたのも、彼だ。

翔「ほら、帰ってきたら手洗いうがい！」

翔に追い立てられ、二人はキッチンを出た。
そこへ、智がやってくる。

智「あれ、二人帰って来た？」
翔「今、手洗いに行ってるよ。」
智「そか。」

安心したのかふにゃふにゃに笑い、今日の夕飯お魚さんかなぁ～と、ソファーに寝転がった。

和「今日の夕飯はハンバーグです！」

着替えまで済ませた和也が戻ってきて、ソファーに寝転ぶ智の上に座る。

智「えぇ！？お魚さんじゃないの？」

驚いて、和也を見上げる智。
和也は、兄の視線をサラッとかわし、ゲームの電源を入れた。