夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ26)

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理由１ページ26

葉桜に、冷たい雨が撃ちつける。
天気予報では、数日前に梅雨入りし、まだ暫くは梅雨冷をする日が続くらしい。
そんな季節の変わり目に、雅紀は案の定体調を崩した。

雅「…だる…。」

朝、いつもの時間に目が覚めたものの、身体が重くて動けずにいた。
自分でも高熱だと、すぐにわかったが、今日はどうしても学校に行かなくてはいけない理由がある。
無理やり身体を起こし、立ち上がろうとするが、足に力が入らずその場に座り込んでしまった。
熱のせいか、意識が朦朧とし目が回る。

潤「まー？今の音、何…って、まー？！どうした？！」

隣室の潤が、音を聞いて駆けつけた。
雅紀の様子を見て、すぐにリビングにいる和也を呼び、慣れた手つきで雅紀をベッドに寝かせる。

潤「まー！？分かる？」
雅「…じゅ…ん？」
潤「ちょっと測ろうな。」

枕元の棚の引き出しから、体温計を取り出し、脇に挟む。
そこへ、必要なものを手にした和也が、やって来る。

和「まーくん！大丈夫！？」
雅「…か…ず？」

熱で潤んだ目に、和也と潤が映る。

雅「…俺…今日、がっこ…行かなきゃ…。」
和「何言ってるんですか！こんな状態で、行けるはずないでしょう？」

和也が、雅紀の頭の下にアイスノンを起き、額に冷えピタを貼っていく。
口は悪いが、甲斐甲斐しく世話をしていた。
体温計が終了を知らせ、潤が引き抜く。

和「は？39.5℃？！」
潤「まー、今日はダメだよ。智兄達に言って、病院に連れてってもらおう？」
雅「…だめ…今日は…行かない…と…ゴホッゴホッ！！」
和「…店行ってきますね。」

和也が立ち上がり、部屋を出て行く。